地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
3000~3万匹に1匹しかいない⁉ オスの三毛猫が珍しい理由
「ミケ」といえばネコの代名詞となるほど、三毛猫は広く親しまれている。ところがオスの三毛猫は大変珍しく、はっきりした統計はないものの、3000~3万匹に1匹しかいないという。
これは遺伝子に理由がある。ネコの場合、茶色の毛色を出現させる「O遺伝子」と茶色以外の黒い毛色を出現させる「o遺伝子」の組み合わせ「Oo」ができなければ、三毛猫にはならない。そして、「O遺伝子」も「o遺伝子」も、「X」という性染色体にだけ存在する。
メスネコの性染色体は「XX」なので、黒と茶色の2色に白が加われば、三毛猫が生まれるのは珍しくない。だが、オスネコの性染色体は「XY」なので、黒か茶色のどちらか一方しか現れず、それに白が加わっても黒白あるいは茶白の2色の毛色になるだけ。ごくまれに生まれるオス三毛は、染色体異常によってX遺伝子が一つ増えた「XXY」という非常に特殊な性染色体を持っているのだ。
そのため、じつは珍しいのはオス三毛だけではなく、オスで茶色と黒の2色の毛色を持った猫も同じように希少な存在なのだ。だが、三毛猫のほうが目立つので、その珍しさがよく知られてきたのだろう。
これほど珍しいオスの三毛猫は、古くから縁起がよいとされ、オス三毛のいる店は繁盛するなどといわれ、人気を集めた。とくに船に乗せるとその船は絶対に沈まない、大漁が約束されているなど引っ張りだこで、高値で買い取られることもあった。1956年の第一次南極観測隊でも、オス三毛「たけし」が隊員と一緒に船に乗り、南極大陸に上陸して越冬までしている。
ここまで知ると、近所の家の三毛猫がオスかメスか、急に気になってくるのではないだろうか。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』