先月、『にっぽん丸 広島発着 上五島クルーズ』という客船でライブをしました。
広島の五日市。船より早く到着し、桟橋からくじらのように迫ってくる船を見たら、仕事なのに、遠足前の子供みたいな気持ちになりました。
にっぽん丸に乗るのは3回目。船旅って、大きなホテルの中に閉じ込められて同じ景色と閉塞感で退屈なんじゃないかな、と当初思っていましたが、全然違いました。なんといっても大きな海にゆらゆら浮かぶ日常は、新鮮な開放感。沖に出るともうネットは通じません。テレビも映らない。きっぱりとOFFできる貴重な空間。
初日の夜、ステージで「一緒に楽しい旅になりますように♪」とメッセージしたお客さまと、翌朝、ロビーやレストランで「おはようございます」「昨夜の歌、よかったですよ」と言葉を交し合う。私もみなさんと同じクルーなんだと実感します。ひとつ船の大きな家族なんですね。
客船は上五島の入り江に入ってきました。北欧の海の色。
小雨の中、島は私たちを静かに迎えてくれました。
近づくと左側の山中に気になる建物が・・・
やっぱり教会。
上五島は教会の多い島。徳川時代に隠れキリシタンとなり、弾圧が解かれた今でも、独自の信仰を守る人々がいるそうです。そのような背景もあり、キリスト教信者が日本全体では約1%なのに対し、上五島では住民の25%がキリスト教信者です。
下船していくつかの教会を訪ねてみました。
木肌の美しい大曽教会。数々の教会建築で名高い設計者の鉄川与助は、大工の棟梁の息子。そして、生涯仏教徒でした。
実物を知らぬまま作った建物とは思えぬ精巧さと共に、和と融合した島の香りと祈りが、潮風に遠くなる時間。
大曽教会を出る時、何気なくいただいたカードには…
隣の方のカードには「私の手を」「私の足を」と書かれていて、私の元には「声」が記されていました。
9月から名古屋・東京・大阪でコンサートツアーが始まります。
どんな「私の声」があなたのもとに届くのでしょう…♪