レンズをかざして「これ何?」を教えてくれるiPhoneの新機能「ビジュアルインテリジェンス」。来月のアップデートでいよいよ日本語に対応しますが、頭をよぎるのが、これ。
そんなのGoogle レンズでとっくにできるやん。
2017年にリリースされてから8年も経ち、だいぶ一般化しつつある「Google レンズ」。iPhoneユーザーでも、「Google」アプリなどから使っている人も多いのでは?
そんな絶対王者が君臨してるのに、わざわざ「ビジュアルインテリジェンス」使う必要、あるんでしょうか?
その謎を解くため、「ビジュアルインテリジェンス」と「Google レンズ」の性能を、比較してみました。
ともに、レンズを通して対象を識別し、その情報を教えてくれる機能です。
ただできることがちょっと違う。
Google レンズ「Google レンズ」では対象を読み取ると、Googleの検索結果が返されます。
レンズで読み取った対象のイメージを元に、インターネット上にある同一、あるいは類似コンテンツを表示してくれるのです。
基本的には「ググる」と一緒だと考えればわかりやすいかも。いつもは検索ワード(文字)でググりますが、写真でググれるってのが、「Google レンズ」です。
真価が発揮されるのが、欲しいものを見つけたとき。読み取った対象が商品だった場合、その販売ページを表示してくるで超便利。
ビジュアルインテリジェンス一方「ビジュアルインテリジェンス」では、Googleの検索結果も表示できますが、ChatGPTと連携し、対象が何のなかテキストで教えてくれます。
目の前にあるものの正体をすぐに知りたいなら、「ビジュアルインテリジェンス」のほうが早い。
また、チャット形式で追加の質問もできるので、いろんな角度から、対象への理解を深めることもできます。
Google レンズこうして比較してみると、両者、解決してくれるユーザーの悩みがちょっと違うことがわかります。なので、使い分けるのがポイントかも。
たとえば、ふと訪れた飲食店にて…
テーブルに置かれた食器が素敵で自分も欲しくなったとき、どこで買えて、いくらなのかを知りたい→Google レンズ
出てきた料理がどんな料理なのか詳しく、即座に調べたい→ビジュアルインテリジェンス
ただ、「ビジュアルインテリジェンス」にはGoogleの検索結果を表示する機能も搭載されているので、これ一つあれば事足りちゃうんですがね。
読み取った対象を調べる以外にも、両者複数の機能を有しています。
翻訳は両者に共通する便利な機能です。レンズをかざすと、外国語の上に翻訳した日本語テキストを表示してくれます。
左: ビジュアルインテリジェンス 右: Google レンズ「Google レンズ」には「宿題」という、わからない設問の説明や答えが書かれているWebページを表示してくれる機能があります。ただ、「ビジュアルインテリジェンス」でも設問を読み取れば同じことができました。
写真フォルダから前に撮った写真を読み込めるのは、「Google レンズ」だけの便利な機能。「ビジュアルインテリジェンス」は、その場で撮った情報しか検索できません。また、「Google レンズ」には過去の検索履歴も残るので、後で見返したいときに役立ちます。
一方「ビジュアルインテリジェンス」では、読み取った文章を要約してくれたり、メールアドレスや電話番号といった情報を取得してメールの作成や電話の発信をできたりするのが便利。
個人的に使い勝手については、「ビジュアルインテリジェンス」に軍配が上がると思います。というのも、「ビジュアルインテリジェンス」はカメラコントロールから即座に起動でき、対象にレンズをかざすだけで何なのか教えてくれる。直感的で使いやすい。
iPhoneかざして「これ何?」を即解決。これぞ、カメラコントロールボタンの本気だ カメラコントロールボタンの、本当に使える機能。来月のiOS 18.4のアップデートで日本にやってくる便利機能、「ビジュアルインテリジェンス」。調べたいものにレンズをかざすだけで、それが何かを教えてくれたり、情報を読み取ったりできる機能です。ひとあし先にベータ版で使ってみました。カメラコントロールから即時に「これ何?」を教えてくれるiPhone 16シリーズで使える本機能、カメラコントロールボタン https://www.gizmodo.jp/2025/03/visual-intelligence-in-japanese.html色々使い比べてみて、両者のコンセプトの違いが見えたのがちょっと面白い。
Googleが作った「Google レンズ」は、Googleの検索体験をもっと便利にする機能。一方、Appleの「ビジュアルインテリジェンス」は、Appleらしくシンプルで、ユーザーの目の前の問題解決に照準を合わせている感じです。
ただやっぱり、こっちとしては、今すぐ「これ何?」を知れるのが一番いいわけで。正直、本格的に使えるようになったら、「Google レンズ」から乗り換えて、「ビジュアルインテリジェンス」をメインに使うようになるんじゃないかなぁと思った次第でございました。
特別な許可を得てベータ版ソフトウェアを利用して記事を書いています。
Image: 小野寺しんいち, Source: Apple