ChatGPTの新機能「Deep Research」。“検索”という文化は消滅する

  • 2025年2月7日
  • Gizmodo Japan

ChatGPTの新機能「Deep Research」。“検索”という文化は消滅する
ChatGPTがネットを検索しまくってる様子。再生速度は上げています Image: かみやまたくみ/ChatGPT

もう人がやるべきことじゃなくなりつつある。

2025年2月3日にOpenAIが発表したChatGPTの新機能「Deep Research」。ChatGPTがネットの海を検索しまくって高精度な回答を作ってくれる機能です。

現在、利用には月額200ドル(約3万円)と高価なプラン(ChatGPT Pro)に加入する必要がありますが、実際使ってみたらホントの本当にスゴかった。o1以降のモデルの推論能力の高さには驚かされっぱなしですが、もっと強烈でした。

一度使っただけで、もう自分で検索するのが億劫になってしまいました。調べ物はネットを使う大きな理由でしたが、完全にAIにやってもらったほうがよくなっています。

以下、どんな感じなのかをお見せしながら、ご紹介します。

「1時間はかかる調べ物」をさせてみた

使用したモデルは「o3-mini」(このモデル自体は無料プランでも試用できます)

今回、比較的マニアックな質問をしてみました。一応まとめると「舶来ものの通信機器が日本の法律下で問題なく使えるか調べて」という内容で、「ちゃんと確認するのはけっこうめんどい」というレベル感。

この確認は毎回入るっぽい

質問すると、「こういう感じで調べるけどいいですか?」と確認してきます。

意図が伝わっていたので、進めてもらいます。

人間には不可能な速度で調査が終わる

相当な量の思考・検索をこなす

ビビったのはここから。ChatGPTが考えては検索、考えては検索…を繰り返し始めます。

「何を調べれば、求められている答えにたどり着けるのか?」

画面の右側に最先端AIの思考と調査の過程が表示され、ゆっくりと流れていきます。ムダなく、そして緻密に。

回答が英語になっていますが、基本的に日本語で質問したら日本語で返ってきます

待つこと5分。ChatGPTが調査結果をまとめ始めました。参照した情報源は22個、自分でやったら1時間はかかる内容です。

それが、わずか5分…。

回答全文はこれくらいあります。論文みたい

回答はボリュームがあり、かつ非常にしっかりとしています。今回のものは4章構成。

1-2文ごとに参照したWebサイトへのリンクが張ってあり、一文一文が調査に裏付けられています。

思考&調査のログは後から見返せます。裏取りしたい際にはこちらも使えます

精度もばっちりでした。他メディアさんや個人の方のブログを参照している関係で回答本文の掲載は避けさせていただきますが、大まかに以下のような内容になっていました。

Starlink MiniのWi‑Fiと日本の法律下での屋外利用について

1. 日本における5GHz Wi‑Fi帯と屋外利用の制限

2. Starlink MiniのWi‑FiとW56チャネルの対応状況

3. 日本における技術基準適合証明(技適)状況

4. 結論:日本でのStarlink Mini利用に問題はありません

1では日本の法律をチェック、2で調査対象(Starlink Mini)の仕様を確認しています。3では総務省の認証を通過しているかを調べ、4が結論。

「(1) 国内で使える通信機器として登録されている。(2) 日本で使うとまずい帯域は使っていない。よって国内での利用に問題はありません」

結論はファクトベースかつロジカルに導き出されていました。最初から最後まで、徹頭徹尾、調査に基づいていました。文章のレベルも極めて高いです。

もう検索したくありません

サーバーが重くて調査が始まらないこともありましたが、いずれOpenAIがなんとかするでしょう Image: OpenAI

一度経験したらもう戻れない、というのをとにかく伝えたいです。

このクオリティの調査&レポートが5分、倍かかっても10分。世界一優秀な人間がリサーチアシスタントになってくれたとしても、調べきれないでしょう。必要な知識が頭に叩き込まれていたとしても、あのクオリティで書き切れるかは怪しい。

インターネットの価値のひとつであり、日常的にやってきた「検索」という行為。もう自分ではやりたくありません。

今回は、「Deep Researchお試し1回目」の経験をご紹介しています。たった1回でそこまでいったんです。

中毒とかではありません、効率がちがいすぎて「やるべきではない」までいっている。

なお、回答が正しいかのチェックはDeep Researchでもなくなりません。今回の例も「誤りがあったら違法になる可能性がある」というもので、裏取りはきちんとしています。医療など専門性が高い分野だとそれが難しくなる、という問題は残っている形ではあります。

今は月3万円するProプランでないと使えないこの「Deep Research」という機能は、1カ月後を目標にPlusプラン(月3000円ほど)にも開放される予定になっています(無料プランについては不明)。

結論はシンプルです。一度は試してみることをおすすめします。

Source: ChatGPT

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