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「奥さんもかなりショックを…」 “モンスター芸人”ナダルが語った ペットへの胸を締め付けられる思い

  • 2024年5月14日
  • CREA WEB

ナダルさんとナダルさんの愛魚。

 お笑い芸人さんに一緒に暮らすペットを紹介してもらう「お笑い芸人の“うちの子”紹介」。第33回はコロコロチキチキペッパーズ・ナダルさん。

 幼少期から魚と暮らしてきたというナダルさん。学生時代は魚の養殖を研究し、水族館の飼育員になりたいと思っていたこともあるそう。

 現在は金魚、メダカ、クワガタと一緒に暮らしているそうですがショッキングな出来事に見舞われて……。飼い主としての責任感から、愛するペットたちへ向けて何度も何度も真摯な言葉を口にする姿が印象的でした。


昨年の秋にナダルさんと魚たちに発生した“ある事件”とは


コロコロチキチキペッパーズ・ナダルさん。

――現在は金魚、メダカ、クワガタと一緒に暮らしているそうですが、もう長いんですか?

 クワガタは4〜5年間で卵を産んで幼虫から成虫になってるんで、今いるのは二世。昨年、4歳の娘と奥さん、その友達と採りに行ったクワガタもいるんですけど、中に入れてある木を噛んで中に卵を産んだのか、幼虫もいる気配がします。

 娘も最初はクワガタが好きやったんです。「後ろから持つのはええけど、頭から持とうとしたらいかんで?」ってずっと注意してたのに、油断した3ヶ月後にやられてしまったというか。

 まぁ、クワガタからしても(頭から持たれる状況は)わけわからんかったやろうから、カッチカチに噛んじゃったんですよ。お尻を硬いもの――コインとかスプーンで叩いたら離してくれるんですけど、娘が泣き叫ぶから僕もパニックになってもうて。まぁ、いい勉強にはなったと思うんですけどね。

うちの子ベストショット①「基本下に何匹か隠れるのですが全員上で泳いでます。かわいい」


うちの子ベストショット①「基本下に何匹か隠れるのですが全員上で泳いでます。かわいい」

――金魚とメダカはどうですか?

 金魚もね、以前はめっちゃいたんです。自分の部屋から出た外のところに置いて、濾過装置をつけて飼ってたんですけど、昨年の9〜10月くらい、悲しいことに野生のアライグマにやられちゃって。5年くらいずっと一緒にいたのに……めっちゃ悲しい!

 うちの金魚、人の気配とか何か物音がすると、めっちゃ近くまで寄ってくるんですよ。やから、余計に悲しい。アライグマと人の区別がつかずに寄っていったんやろうな、あいつら。こっちが慣れさせた結果、こうなったんかなとか考えると胸が締め付けられます。

都会やからってナメんといてください!


アライグマに襲われたときのことを思い出しては、つらそうな表情を見せていたナダルさん。

――大事に育てていた命ですもんね。ニュースでも話題になっていますよね、野生のアライグマにメダカが襲われてしまったとか。

 そう。アライグマって、ラスカルみたいにかわいいもんじゃないんですよ! 1回やられてから強度のある防鳥ネットを頑丈に巻いてみたんですけど、余裕で破られて。

 そのあと、鉄の金網にしたけどそれも破られて、結局14〜15匹くらいやられてしまいました。30cmくらいでかくなった金魚もいたんですけどね。

 やから、今は2階のベランダで飼ってて生き残ったメダカと金魚だけになってしまいました。金魚はランチュウ、和金、リュウキン。赤ちゃんも何匹かいます。今いる金魚は泳ぎが速くない種類。ゆっくりと泳いでる姿がかわいいんですよね。

 ランチュウはぷくぷくとしたかわいい金魚なんですけど、知り合いが自分の家で繁殖をしてはって。金賞を獲った子どもがおるからあげるって言われて4匹くらい譲ってもらったんです。

 メダカはみゆきっていう種類が2匹、ヒメダカ1匹ですかね。で、メダカは亜生から譲ってもらったりして。メダカもアライグマに何匹かやられてしまったんですけど、大事に飼ってたので奥さんもかなりショックを受けてました。

 ほんまにみなさん、都会やからってナメんといてください! 野生動物はたくさんいます! 守れなかった僕が言うことじゃないんですけど……ほんまにすごくショックです。(飼っている生き物たちを)守ることは、飼い主の使命ですからね。

うちの子ベストショット②「春になり餌の食いも良くなった」


うちの子ベストショット②「春になり餌の食いも良くなった」

――昔からペットはずっと飼われているんですか?

 魚はずっと身近なもんでしたね。和金とかコメットとか泳ぎがうまい金魚、鯉、草魚……肉食じゃない魚を池で飼っていて。昔から魚が好きやったんですよ。

 やっぱりねぇ、水のある生活はいいですよ。金魚ってかわいいから癒し効果もありますし、水がちょろちょろと流れる音も落ち着きますしね。魚、すごく好きです!

――実家を離れてからも、魚と一緒に暮らしていたんですか?

 基本的にはそうですね。一人暮らししていた時はデメキンとかリュウキンとかを水槽で飼っていて。その時は人工の照明を当ててたんですけど、魚って外で飼ってるほうが元気やし、体も大きくなるんです。大きくなると、さらにかわいくなるし。

うちの子ベストショット③「オオカナダモと水蓮がフンや食べ残しを養分に成長します。循環してます」


うちの子ベストショット③「オオカナダモと水蓮がフンや食べ残しを養分に成長します。循環してます 」

――金魚が好きな理由は?

 熱帯魚ももちろんかわいいです。けど、ヒーターをずっとつけとかなあかんし、温度管理が難しいし、金魚よりも水質の悪化に敏感で。僕は外で飼いたいっていうのがあるし、昔から飼ってるので金魚のほうが愛着が湧きますね。

――今いる金魚に名前はつけているんですか。

 いや、あんまり……(笑)。けど、ちゃんと愛情はありますよ。金魚って水質によって色も変わったりするんですけど、色から銀ちゃん、白ちゃんとかっていう感じです。


取材中、金魚の写真を見せてくれながら話をするナダルさん。

――水の中で暮らす生き物は、なんとなくお手入れが大変そうなイメージがあります。

 リュウキンとかデメキンみたいにふっくらとした体型の金魚は繊細やったりするんですけど、和金みたいに体型が細い金魚は投げ込み式のぷくぷくを入れて水の流れを作って、濾材にフンとかを集めて水をきれいにするとかでも長生きするんですよ。

 あと、様子がおかしいと口をぱくぱくさせたり、くるんと回る動きをしたり、変にゆっくりと動いたりするので、ちゃんと観察することも大事です。

 金魚って白点病とかになることがあるんですけど、そうしたらメチレンブルーっていう青い薬を入れてみたり、金魚の体液と同じくらいの水質にしたりして負担を減らしたりもしてましたね。

うちの子ベストショット④「金魚の赤ちゃんとメダカが一緒に泳いでるのかわいい」


うちの子ベストショット④「金魚の赤ちゃんとメダカが一緒に泳いでるのかわいい 」

 あと、フンが多いからこまめに掃除したり、水を替えたりはしないといけないですよね。けど、その汚れた水を観葉植物にあげるとフンが栄養になるみたいで、植物が元気になったりするんですよ。

 水草も金魚がフンをする場所に入れておくと、めっちゃ元気になるし、増えたりして。そういう感じで、水槽の中に自然の循環を作るようにしてますね。だから、SDGsです!

――そういう知識はどうやって培ったんですか?

 昔からおとんと一緒にやってました。庭を掘ってセメントで固めてU字溝みたいなのでいくつか池を作って(水を送る)ポンプでそのU字溝を繋げて、デカめのメダカ、小さめのメダカ、赤ちゃんのメダカ、金魚の赤ちゃんってそれぞれ入れて。

 で、砂利の山を何個か作っておくと、砂利で濾過されて微生物がフンを分解して水が循環するんです。もちろん、たまに掃除はせなダメですけどね。

愛魚の体調チェックが毎朝の日課


コロコロチキチキペッパーズ・ナダルさん。愛魚の体調チェックが毎朝の日課。

――ビオトープみたいなものを作っていた。

 そうです、そうです。だから、ヤゴとかめっちゃいましたよ。トンボが羽化したり、ホタルも来てたなぁ。実家では未だに亀を飼ってますよ。高校生くらいの時におとんが採ってきた亀やから……20年以上生きてますね。

 まぁ、田舎っていうのもありましたけど、おとんが元々好きで、そういう遊びをよく一緒にやっていました。小学校の頃は魚を釣って、家に持って帰って飼って、魚が産んだ卵が孵化したら川に戻したりもしてましたね。とにかく水辺の生き物が近くにいる環境でした。

――ナダルさんは近畿大学農学部水産学科を卒業されているんですよね。水族館の飼育員になりたかったとか。

 具体的なことはあんまり考えてなくて、魚が好きだからその学科を選んだんですけど、採用試験で受かっていたら水族館の飼育員をやっていたかもしれないですね。

 学生時代は(養殖の)トラフグを同じ水で循環して育てる研究をしてたんです。だから元々、そういうことがしたかったんでしょうね。自然界って水の入れ替わりがそんなにないというか、雨水によって変わっていくじゃないですか。(人工でも)そういう環境ができたらというのは、当時から思っていたことですね。SDGsを先取りしてました。


コロコロチキチキペッパーズ・ナダルさん。

――では、ナダルさんの思う金魚のいい飼育方法を教えてもらえませんか?

 外やったらデカめの濾過装置をつけて、濾材として貝化石っていう牡蠣殻を入れる。金魚のフンで水質が酸性に傾きやすかったりするんですけど、ちょっとだけアルカリ性に近づけたほうがいいので、そうするために貝化石を結構入れたりしてましたね。

 水槽で飼うときは砂利を入れてたんですけど、それも濾材くらいの感覚というか。フンを濾過するために入れてたので、結局、濾材が重要な気はします。濾材が効いてると、そこまで頻繁に水を替えなくてもいいんじゃないですかね。

 金魚すくいの金魚ってすぐ死ぬものだと思われがちですけど、大事に飼えば10年以上長生きしますよ。なかなかそこまで生かしてあげられへんのは、飼うほうの問題というか。うちにも浅草の金魚すくいで持ち帰った子いました。かわいらしくて。大事に育ててたので大きくなりましたね。

うちの子ベストショット⑤「水質をしっかり管理することで金魚はずっと元気に過ごせる」


うちの子ベストショット⑤「水質をしっかり管理することで金魚はずっと元気に過ごせる 」

――掃除はどれくらいの頻度でやっているんですか?

 週1くらいですかね。で、冬はほぼしない。エサもほとんどあげないです。15度以下になると消化不良を起こして調子崩すことがあったりするので、ちゃんと水温が上がってからあげたほうがいいです。うちも3月末くらいからですね、2階の金魚とメダカに餌をあげるようになったのは。

 で、3〜5分くらいで食べ切る量をあげてます。食べ過ぎると消化不良になりますし、水も汚れますからね。

うちの子ベストショット⑥「ただの黒色の赤ちゃん金魚に赤色が出てきて、そこも愛おしい」


うちの子ベストショット⑥「ただの黒色の赤ちゃん金魚に赤色が出てきて、そこも愛おしい」

――お話を伺っていると、幼少期からの魚との触れ合いが今もベースとしてあるんですね。

 そうですね。やから家で飼うとしたら、日当たりのいい外で飼って健康にさせてあげたいんです。今まで飼ってた金魚も全員、順調に育ってました。今年は葉の下に隠れて花もきれいでええなぁと思って睡蓮を入れたのに、それもアライグマにぐちゃぐちゃにされて……思い出すとねぇ、悲しくなってしまいます。

――今後についてはどんなことを考えていますか?

 とにかく完全防御して飼う、ということですね。(水槽に)着脱式の結束ベルトをつけて、最強の環境を作りたいです。循環についても、もっと濾過だけで自然と循環するような環境を作ってみたい。やっぱり水が綺麗やと魚もきれいというか、泳ぎ方とかヒレの立ち具合が違うんですよね。

 大学時代、水族館に実習で行かせてもらったんですけど、やっぱり濾過機能が半端じゃない。でっかい水槽の裏に、同じくらいおっきい濾過施設があって。やっぱりあれくらいしないと、いい水質は保てないんだなと思いましたから。

――では、ナダルさんにとって、一緒に暮らしているペットはどんな存在ですか?

 魚と昆虫ですけど、家族のつもりです。自分の実家のように、水が流れて魚が寄ってくる環境が近くにあると安心できるんですよ。それが当たり前でしたし、朝、金魚が近寄ってくれるとワクワクするんで……ルーツですね。子供の頃からずっとそばにあり続けるものです。


ナダルさん。

――ルーツって素敵ですね。

 と言いつつ、釣りも好きですし、魚も食べるんですけどね。飼うのも、泳いでるのを見るのも、魚を釣るのも好き。僕にとって、魚はそれくらい身近にあるものなんです。

ナダル

1984年生まれ。京都府出身。2012年4月、西野創人とコロコロチキチキペッパーズを結成。キングオブコント2015年王者。
コロコロチキチキペッパーズ公式HP:ラブチキ
X(旧Twitter):@korochiki_nadal
YouTube:コロコロチキチキペッパーズの『よろチキチャンネル』

文=高本亜紀
撮影=橋本篤
写真=ナダル

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