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キャンプの恵み

Vol.146 キャンプのブランド

  • 2018年6月15日
  • (社)日本キャンプ協会

 6月に入り、毎年この季節になると、夏休みのキャンプの準備が本格的に始まる頃かと思います。私が以前勤めていた職場でも、夏休みのキャンプの受付が始まり、申込状況に一喜一憂しながら、子どもたちの楽しい夏休みの思い出づくりのために、リーダーたちとキャンプの準備を進めていたことを思い出します。

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 昔は、今のようにキャンプをやっている団体は少なかったので、すぐに締切になりましたが、最近では、キャンプを主催する団体が増えたことやファミリーキャンプのようにキャンプの大衆化が進み、定員の半分ぐらいしか集まらないことも多くなりました。キャンプの普及と振興を考えればとても良いことですが、事業主としては、キャンプの運営を今後どうするのかという厳しい現実を突きつけられることになります。「子どもたちや保護者は、どんなキャンプを望んでいるのか?」「キャンプの魅力とは何か?」等、あらためて、自分たちのキャンプのブランド(価値、特徴、信頼性)を考えさせられることになります。
 その一方で、長年にわたり、多くの子どもたちが参加するブランド力の高いキャンプも世の中にはたくさん存在します。私が知っているひとつの実例は、江戸時代に参勤交代が行われていた旧街道(約125km)を6泊7日で歩くキャンプで、毎年、定員の200名がすぐに締切になってしまうほど人気がありました。小学校3年生から中学3年生が対象で、真夏の道を、三度笠を被って、地域の体育館やお寺に泊まりながら、助け合ってゴールをめざして歩く体験は、多くの感動と成長があるそうです。
 おそらく、世の中にも、同じように人気の高いキャンプがあるのではないでしようか。そうしたキャンプをよく観察すると、共通したブランドが存在しているようです。それは、参勤交代の旅のように、長距離を歩くという実にシンプルな体験をコンセプトにしながら、そこで起こる様々な非日常的な出来事が、今どきのゲームでは味わうことのできない、強烈なインパクトとして、子どもたちに影響を与える仕掛けがあるということだと思います。「大変だったけれど、キャンプに参加して楽しかった!」「またキャンプに参加したい!」と思ってもらえるようなキャンプ、そして私たち自身が「キャンプをやって良かった!」と実感できるようなキャンプのブランドを、今一度、見つめ直す必要があるのかもしれません。(ゼロ)

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