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キャンプの恵み

Vol.135 季節を感じて

  • 2017年10月5日
  • (社)日本キャンプ協会

 「好きな花は?」と聞かれたら、私は「ツユクサ(露草)」と答えます。咲く時期は少し前になってしまいますが、家から駅に向かう道の脇に咲いているのを見かけます。私にとっては、都会の喧騒を忘れさせてくれる一服の清涼剤です。花言葉は「変わらぬ思い」。インターネットで調べると、ツユクサの別名は、蛍草(ホタルグサ)、藍花(あいばな)、月草(ツキクサ)、帽子花(ボウシバナ)、青花(アオバナ)など、いろいろな呼び名があります。6月から9月にかけて咲き、最盛期は7月だそうですが、私はこの時期の雨あがりのツユクサが好きです。

 いつだったか、NHKのドキュメンタリー番組で絵本作家の甲斐信枝さんの「“雑草“が教えてくれたすてきな世界」を見る機会がありました。現在86歳の甲斐信枝さんは、現役の絵本作家で、代表作の「雑草のくらし」は30年を超えるロングセラーだそうです。番組の中で、日がな一日、草花と同じ目線で、楽しそうに草花と話しかける姿は喜々としていて、とってもチャーミング。こんな素敵な歳の取り方をしたいものだと思わずにはいられませんでした。私は、「たねがとぶ」を購入しましたが、見ているだけで子どもの頃の風景や風に乗って香る草花の匂いを思い出すことができます。
そんなこともあって、改めてツユクサを観察してみると、青色の花びらの下に黄色の小さな花が3つあることやその下に伸びる白い雄しべ(6本あるうちの長く伸びる2本だけが、花粉を出すとのこと)など、これまで気づかなかったことに気づかされました。長年見ている花でも視点を変えてみると、新しい発見があるものです。
 とはいえ、絵心のない私は筆をスマホに変えて、気になった草花があると、周りを気にしながらに近寄ってはシャッターを切っています。

 暑さが収まり、野外に出る機会も増える季節、キャンプはしたいけどハードルが高いなぁと思っている方はいませんか。まずはキャンプ場までへの一歩として、いつも通る道や近くの公園で草花の目線に合わせて、「雑草のくらし」を眺めて見ませんか。ちょっと目線を変えるだけで新しい発見に出会えるかもしれません。あなたにとっての一腹の清涼剤を、季節を感じながら自然の中で見つけませんか。インスタ 映えする被写体は、結構身近にあるのかもしれません。  (あっきー)

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