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「熱中症予防声かけプロジェクト」 詳細解説

読み:
ねっちゅうしょうよぼうこえかけぷろじぇくと
英名:
Heat Stress Prevention Project

高温により体温の調節機能に異常をきたし、体内の水分や塩分などのバランスが崩れて発症するのが熱中症だ。以前は炎天下での作業やスポーツなどをしている人がかかりやすかったが、近年は一般環境下で熱中症になる人が多い。国内の死亡者数は、1968年から2009年までの42年の間で7625件にもなる。職場や学校で熱中症になる人も少なくない。また、お年寄りや子どもなどは熱中症にかかりやすいことがわかっている。

環境省は2012年6月1日、「熱中症予防声かけプロジェクト」を、前年に引き続き開始した。熱中症の予防に関する正しい知識を普及するとともに、企業や行政などが協力して予防の「声かけ」の輪を広げる取り組みだ。クールビズ省エネ節電などに関する呼びかけを行う「クールサマー2012」の一環として行われる。主催は、企業、行政、NPOの各分野の賛助会員からなる実行委員会。国民運動ではあるが、国からの予算を受けずに行っている点が画期的だ。

プロジェクトでは、参加企業や参加自治体などが共通のロゴマークなどを使って、予防のための「5つの声かけ」を国民に呼びかける。ロゴマークは青地に白い文字で「涼」の漢字をデザインしたもので、キャンペーンのキャラクターはシロクマの「涼太郎(すずたろう)」。5つの声かけとは、温度に気を配ろう、飲み物を持ち歩こう、休息をとろう、栄養をとろう、声をかけ合おう、だ。温度に気を配るのは、自分の体で感じる暑さ、いわゆる体感温度と、実際の気温との間に開きがあるためだ。外出時にはできるだけ日陰を選んで歩き、屋内ではカーテンなどで陽射しを防いだり、エアコンとファンを併用したりする。

飲み物を持ち歩くのは、熱中症の予防には水分や場合により塩分を補給することが効果的だからで、休息をとることにより暑さで奪われた体力を回復することができる。「栄養をとろう」には、朝食をきちんととることや、体を冷やす料理を食べることなどが含まれている。そして最後の「声をかけ合おう」には、自分のことだけではなく、家族や友人、近所の人など知り合い同士が一声かけ合うことが、予防につながるという意味が込められている。

同プロジェクトでは賛同会員を募集している。会員数は2011年度の実績で、企業が1318、環境省を含む行政が30、NPOなどの民間団体が28となっている。賛同会員は、自らの活動を通じて予防のための声かけを行う。そのためのツールやデータは豊富に用意されており、公式サイトからダウンロードしてのぼりやポップなどをつくることができる。

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