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「医療ボランティア」 詳細解説

読み:
いりょうぼらんてぃあ
英名:
Medical Volunteer

各地で医療に関連した支援活動を行う医療ボランティアの担い手や活動の内容、場所、期間は多種多様である。内閣府がまとめた特定非営利活動法人(NPO法人)の活動分野に関する調査結果によると、「保健・医療又は福祉の増進を図る活動」を行うNPO法人の数は全国で1万5093団体あり、NPO法人全体の約57%を占める(2006年3月31日現在)。加えて任意団体が数多く存在し、病院が独自にボランティアを募集する場合も多いため、全国で医療ボランティアとして活動している人は相当の数に上る。

私たちの生活に身近な医療ボランティアとして、病院などで来院者の案内を行ったり、小児科などの病棟でのレクリエーション、各種イベントの手伝いなど医療行為以外の作業を手伝ったりする、いわゆる病院ボランティアがある。全国の病院ボランティアグループをつなぎ、支援する活動を行っている日本病院ボランティア協会には、各地で活動する約200のグループが参加している。また、東京にある国立成育医療センターは、地域社会に開かれた病院としてボランティアを積極的に受け入れており、ナショナルセンターとして医療施設におけるボランティア活動のモデルをめざしている。さらに、福祉施設などで活動するボランティアも多い。

また、患者会やセルフヘルプグループ(SHG)で多くのボランティアが活動しているほか、緩和ケア病棟専門のボランティア、病院内に設置される患者のための図書館のスタッフ、精神面でのケアを行うボランティア、患者やその家族に加えて日常生活や仕事などで心身が疲労している人の話を聴いてストレスを和らげる傾聴ボランティア、在住外国人を支える医療通訳ボランティアなど、新しい形の医療ボランティアも登場している。

一方、世界には緊急に医療的な措置が必要であるにもかかわらず、貧困などの経済的問題や、災害や戦争、紛争などで財産を失ったために、満足な治療を受けられない人がたくさんいる。このような状況にある人に対して、国や政治体制などの違いを超えて援助を行うNGO/NPOは多く、そうした団体でも多くの医療ボランティアが活動している。日本にも、国境なき医師団(MSF)日本やアムダ(AMDA)をはじめとする民間、非営利の医療支援団体があり、医師や看護師などの医療関係者に加えて、活動を人事や財務面で支えるスタッフが海外での医療支援活動に多数参加している。また、国際協力機構(JICA)が各国に派遣する国際緊急援助隊(医療チーム)の活動を支援する医療ボランティアもいる。

内外の医療ボランティアをめぐる今後の課題として、医療分野におけるボランティアの位置づけやその役割をどう考えていくか、また、ボランティアを行う側と受ける側それぞれに必要な知識や経験をいかに教育し、共有していくか、さらに、担い手となる組織のあり方とネットワーク、社会的な支援体制を整備していくことなどがあげられる。

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