A: 紙による文書の収集・保管が行われていた時代には、資料の閲覧は一部の専門家や保管庫まで足を運ぶことのできる人に限られていた。しかし、文書をデジタル情報として収集・保管して提供するデジタルアーカイブの普及により、インターネットを経由していつでも、どこからでも閲覧することが可能となった。国内のアーカイブに限らず、国外の資料も見ることができる。このため、かつては専門家しか見られなかった貴重な資料を一般人も閲覧することが可能となり、民間の研究者や学生にも高度な研究を行うチャンスが増えた。また、市民が趣味などで文書に触れる機会も広がった。
A: デジタルアーカーブは環境面から見ても貢献度が高く、グリーンICTのうち、ICTを活用して環境負荷を低減する「Green by ICT」の一環であるといえる。第一に、サーバースペースがあれば足りるため、広い面積が必要だった文書保管スペースが削減される。これにより、保管庫の照明や空調にかかる電気代を節約できる。第二に、紙資料が劣化する「酸性紙問題」などを防ぐために必要な温湿度の調節が不要となり、そのためのエネルギーがかからなくなる。第三に、高度な検索機能とデータベース化により、保管庫から資料を見つけ出す手間と時間を大幅に減らすことができる。