サイト内
ウェブ

「食品リサイクル法」 詳細解説

読み:
しょくひんりさいくるほう
英名:
Food Recycling Law

消費者の食に対する好みの多様化や豊かな食生活を背景にして、食品メーカー、スーパー、レストラン、ホテルなどでは食品の大量廃棄や食べ残しなどが発生し、食品資源の浪費が問題になっている。食品産業から年間に排出される食品廃棄物は、1100万tを超える。こうした食品廃棄物の発生を抑制し、食品循環資源の有効利用をすすめていくために2001年に施行されたのが食品リサイクル法だ。2007年6月に改正された。主務大臣が再生利用や発生抑制、減量化の目標・方策などの基本方針を策定し、製造、流通、外食などの食品関連事業者が基準に従って再生利用などに取り組む仕組みで、食品廃棄物を飼・肥料化する事業者の登録制度などによる再生利用促進も盛り込まれている。

具体的には、食品関連業者は、1) 食品廃棄物の発生そのものを抑える「発生抑制」、2) 食品廃棄物を肥料・飼料・油脂・油脂製品・メタンの原材料として再資源化する「再生利用」、3) 食品廃棄物の量を減少する「減量」―の3つを組み合わせて、食品廃棄物の削減とリサイクルに取り組むことが義務づけられている。再生利用が困難な場合には「熱回収」を行うことができる。また、食品廃棄物の発生量が年間100t以上の「多量発生事業者」には、発生量やリサイクルの状況に関する定期報告が義務付けられる。さらに、フランチャイズチェーンなど多くの加盟店を抱える事業者については、それらを一体とみなして多量発生事業者であるか判定される。

「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針」では、再生利用の優先順位として、1) 発生抑制、2) 再生利用、3) 熱回収、4) 減量が定められ、再生利用の手法として飼料化を優先することなどを方向性として打ち出している。また、2012年度までの再生利用の実施率目標値を次のとおり定める。1) 食品製造業:85%、2) 食品卸売業:70%、3) 食品小売業:45%、4) 外食産業:40%。さらに、実施目標を達成するため、個々の事業者ごとに、毎年度、基準となる再生利用等実施率の目標値を定めている。

食品リサイクルを進めるためには、本法などの制度面での整備を行う一方で、生産過程で無駄な食品材が発生しないような生産システムの開発や、スーパーなどの流通やレストラン、ホテルなどで発生した売れ残りや食べ残しなどを肥料や飼料に再資源化する技術やシステムの開発といった、現場での取り組みが重要だ。環境省は、「食品リサイクル推進環境大臣賞」を創設するなどして、食品廃棄物のリサイクルをすすめている。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。