A: 「法人の森林」制度は、企業と国が森林を造成、育成して伐採後の収益を分けあう分収林の仕組みだ。一から植林を行って森林をつくる分収造林と、既存の森林を整備する分収育林がある。法人の森林は全国に約500カ所あり、森林環境教育や自然とのふれ合いの場として活用されている。また、契約森林の水源かん養や山地保全、二酸化炭素(CO2)の吸収など、環境への貢献度を評価して契約者へ年1回知らせるサービスもある。
A: 近年、分収林をめぐるさまざまな問題が全国各地で起きている。契約時に想定された収益が得られないこと、林業利回りの低下に伴う森林の不良債権化、契約期間満了後の立木撤去義務などがトラブルの主な原因だ。2014年10月には、緑のオーナー制度の元本割れをめぐる損害賠償請求訴訟で、大阪地裁が国に約9000万円の支払いを命じる判決を出すなど、問題は複雑化、深刻化している。