A: 自然資産区域法は、都道府県又は市町村が、自然環境を地域住民の資産として保全し、その持続可能な利用を推進するために自然環境トラスト活動を促進する事業を行うとしている。自治体は、同事業などに充てる経費をまかなうために、自然環境トラスト活動基金を設けることができる。地域におけるトラスト活動の進展を図るための制度だが、民間主導で行われてきたトラスト活動に自治体が参入することで、民間団体などによる寄付金集めや土地取得が困難になる可能性があるとの指摘もある。
A: 富士山の保全を図るため、山梨県は「富士山保全協力金基金条例」に基づき、静岡県は「静岡県富士山後世継承基金条例」などに基づき、富士山保全協力金を登山者に任意で支払ってもらう仕組みを設けている。これらは自治体による独自の取り組みだが、自然資産区域法が施行されると、このような入域料を法に基づき徴収することも可能となる。ただし、自然資産区域法の保全対象と、自治体が想定する保全対象が一致するとは限らない。富士山保全協力金をはじめとする自治体による入域料がどうなるかは、同法の施行と国による基本方針の策定などの動向次第だ。