A: 世界自然遺産として認定されるには、「顕著で普遍的価値」があることが必要だ。その価値があると認められるには、次の３つの条件を満たさなくてはならない。第一に、自然美、地形・地質、生態系、生物多様性という４つの評価基準について、ひとつ以上に適合すること。第二に、適切な面積があり、開発の影響を受けず、自然本来の姿が維持されているなど「完全性の条件」を満たしていること。第三に、保護管理体制が十分に整い、実施されていること。
A: 世界自然遺産として登録されると、その「顕著で普遍的な」価値を将来にわたり維持し、適切に保護管理することが求められる。このため、自然遺産の地域は国立公園や自然環境保全地域、天然記念物など、国が責任をもって管理できる保全地域に指定されている。保全や管理を行うのは国だけではない。地元の地方自治体や住民、学識経験者、事業者などから成る地域連絡会議や、科学委員会などが組織され、合意形成や知見の集積、保護管理が行われる。また、地域ごとに遺産地域管理計画が策定される。
