サイト内
ウェブ

「世界文化遺産」 詳細解説

読み:
せかいぶんかいさん
英名:
World Cultural Heritage

人類共通の資産として未来へ伝えていくべき文化財は世界各地にあるが、開発や戦争などによる損傷や破壊の脅威に常にさらされている。これらの資産を守るために、1972年のユネスコ(国際連合教育科学文化機関)総会で「世界遺産条約」が採択された。人類にとってとくに重要な価値を有し、将来にわたって保全すべき遺産を世界遺産委員会が認定し、リスト化して保全を図る仕組みだ。世界遺産には、世界文化遺産世界自然遺産、両方の価値を備えた複合遺産の3種類がある。

世界には、2014年12月現在で779件の世界文化遺産と、31件の複合遺産がある。代表的な文化遺産として、エジプトの「メンフィスのピラミッド地帯」、ギリシアの「アクロポリス」、カンボジアの「アンコール遺跡群」、ペルーの「ナスカとフマナ平原の地上絵」、中国の「万里の長城」、インドの「タージ・マハル」、スペインの「アントニ・ガウディの作品群」、インドネシアの「ボロブドゥール寺院遺跡群」などがある。また、ペルーの「マチュピチュ歴史保護区」やトルコの「ギョレメ国立公園及びカッパドキアの岩窟群」などは、複合遺産として登録されている。

日本には19件の世界遺産があり、このうち文化遺産は15件だ。初めて文化遺産となったのは1993年登録の「法隆寺地域の仏教建造物」と「姫路城」で、その後、次の文化遺産がリストに記載された。京都府の「古都京都の文化財」、岐阜県の「白川郷・五箇山の合掌造り集落」、広島県の「原爆ドーム」と「厳島神社」、奈良県の「古都奈良の文化財」、栃木県の「日光の社寺」、沖縄県の「琉球王国のグスク及び関連遺産群」、三重・奈良・和歌山3県の「紀伊山地の霊場と参詣道」、島根県の「石見銀山遺跡とその文化的景観」、岩手県の「平泉」、「富士山」、2014年登録の「富岡製糸場」、2015年登録の「明治日本の産業革命遺産」。

世界文化遺産として認定されるには、顕著な普遍的価値を有することに加えて、真正性と完全性のそれぞれの条件を満たすことが必要だ。また、保護管理が確実に担保されていることも求められる。手続きは、まず国が推薦候補を記載した暫定リストを、ユネスコ世界遺産センターへ提出する。その後、準備作業や推薦書の提出を経て、専門家で構成された国際記念物遺跡会議(イコモス)が審査や現地調査を行う。そして、イコモスが評価結果を勧告し、世界遺産委員会で登録するかどうかが決まる。このため、暫定リストの提出から登録決定までには最低数年かかる。

また、将来の文化遺産を目指す日本の暫定リストには、「古都鎌倉の寺院・神社ほか」や「彦根城」などの候補があげられている。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。