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「生態系サービス」 Q&A解説

読み:
せいたいけいさーびす
英名:
Ecosystem Services
  • Q: 生態系サービスの種類は?
    国連は、生態系サービスを4つに分類している。具体的にはどのような種類があるのだろうか?

    A: 生態系によってもたらされる、人間が生きていくために必要で役立つものをまとめて、生態系サービスと呼ぶ。国連は生態系に関する総合的評価である「ミレニアム生態系評価(MA)」の中で、生態系サービスを、1) 供給的サービス、2) 調節的サービス、3) 文化的サービス、4) 基盤的サービス、の4つに分類している。供給的サービスとは、食糧や水、木材、繊維、燃料などのことで、調節的サービスとは、気候の調整や水質、疾病などだ。また、文化的サービスとは、精神的な充足や美的な楽しみ、レクリエーション、教育的な効果などを指し、基盤的サービスとは、光合成や土壌形成などすべての生態系サービスの基本となるものだ。人間は生態系サービスから、生活のための基本的な物質はもとより、健康や安全、景観など、多くの恵みを得ている。反対に、生態系サービスがそこなわれれば、環境汚染や水資源の不足、自然災害の増加、土壌流失など、さまざまな問題が起きる。

  • Q: どうして生態系サービスが低下したの?
    生態系サービスはこの半世紀で大きく低下したといわれている。その原因は?

    A: 生態系サービスは、生態系がもつ機能のうち、水や食料、気候の安定など、人間が生きていくために必要な、自然の恩恵だ。国連は「ミレニアム生態系評価(MA)」で、過去50年間で漁獲や木質燃料、遺伝資源、淡水、災害制御など15項目で生態系サービスが低下したことを明らかにした。自然の生態系サービスを提供する能力が減少したのは、生物多様性がそこなわれた結果であり、その大きな原因が人間の活動によってもたらされたものだ。河川や湖沼からの取水量は過去40年間で倍増。1945年以降に耕作地に転換された土地の面積は、18世紀と19世紀を合わせたよりも多く、地表面の約4分の1が耕作地となった。また、1980年頃以降、世界のサンゴ礁の20%が破壊され、水産資源の漁獲量は供給量を超えている。さらに、人類によって引き起こされた絶滅の速度は自然状態の数百倍とも言われ、今後も絶滅する種は増えると予測されている。人間が自然の恵みである生態系サービスをこれからも得ていくためには、失われた生態系を再生し、維持、管理していく取り組みが必要だ。

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