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「微生物」 詳細解説

読み:
びせいぶつ
英名:
Microbe

微生物が最初に発見されたのは17世紀のオランダである。レーウェンフックというオランダ人が、250倍の自作の顕微鏡で、これまで肉眼では見えなかった未知の生物の観察に成功した。しかし当時は微生物という概念はなく、なにか面白い生き物がいるというくらいの認識であった。19世紀半ばになってフランスのパスツールが、はじめて微生物という概念を広めた。

微生物は、肉眼では見えない生物の総称で、ウィルス、細菌(バクテリア)、酵母、カビ、さらには藻類などが含まれる。大きさに定義はないが、概ね10分の1?以下くらいのものを指すと考えてよい。形は完全な球状、ソーセージ状、らせん状などさまざまなタイプがある。

科学的に微生物が認識されていたかどうかとは別に、微生物と人間とは古くから深い係わり合いをもってきた。ヨーロッパ中世に大流行し多くの死者を出した黒死病は、ペスト菌という微生物によって引き起こされ、現代でもO-157のような病原性大腸菌、エイズの病原体であるヒト免疫不全ウイルス(HIV)などの微生物が出現し、健康に脅威を与えている。

同時に、人類は古くから大豆や大麦、牛乳などの原料に働きかけ、発酵作用を促す菌を利用してパン、チーズ、ヨーグルト、ビール、味噌、納豆などの発酵食品をつくり、微生物を暮らしに役立ててきた。また、微生物は自然界の物質循環を完成させる上でも大きな役割を果たしている。物質循環とは、光合成によってデンプンなどの有機物を生産する植物、その植物を食べる虫、虫を食べる動物、そして動物や植物の死骸を分解し、植物に栄養を提供する微生物・・・というように、生命をかたちづくる物質が地球上の生物と生物をとりまく環境の中を循環していくシステムだが、微生物はその循環の重要な位置を占めている。

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