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「化学物質ファクトシート」 詳細解説

読み:
かがくぶしつふぁくとしーと
英名:
Chemical Fact Sheets

化学物質は、世界で約10万種類、日本でも約5万種類が流通しているといわれている。その中には、人の健康や環境に対して有害な物質もある。一方、化学物質に関しては官民のさまざまな主体が情報を提供しているが、それらの多くが専門的またはごく一部で、専門家ではない一般の人にはわかりにくい。その結果、化学物質に関する正しい理解が進まず、誤解に基づく不安が引き起こされることも少なくない。こうした状況に陥らないようにして化学物質に関する環境リスクを低減していくには、市民や産業界、行政などあらゆる主体がその情報を共有し、意思疎通や相互理解を図る必要がある。

環境省がまとめている「化学物質ファクトシート」は、このようなリスクコミュニケーションを推進するためのツールとして開発された。同省は委員会を設置して、2003年度から化学物質排出把握管理促進法(化管法)の第一種指定化学物質を対象としてファクトシートの作成作業を行っている。化学の専門家ではない一般の市民でも理解できるように、化学物質の情報をわかりやすく整理し、簡潔にまとめている。インターネットのホームページ上で公表されており、希望者には冊子を配布している。

2012年版のファクトシートでは、化管法第一種指定化学物質全462物質のうち、352物質を掲載している。このうち、ハロン類、フロン類、鉛・鉛化合物、ニッケル・ニッケル化合物についてはそれぞれ1シートにまとめており、ファクトシートの数は334となっている。インターネット版ファクトシートの使い方は、「検索」のページに、自分が知りたい化学物質の物質名、化管法政令番号、CAS(Chemical Abstracts Service)番号のどれかを入力する。すると対応した化学物質が表示されるので、「用途」にある分野のチェックボックスを選択すると、該当物質の一覧が表示される。そこから化管法政令番号、物質名、別名、CAS番号のどれかを選べば、目指す物質のファクトシートを見ることができる。

ファクトシートには、物質ごとに文章約2ページと表約1ページで、物質名、別名、化管法政令番号、CAS番号、構造式が記載されている。また、主な用途や環境への排出量に関する概要も載っている。さらに、環境中での動きや健康への影響、生態影響なども記載されている。一方、対象物質一覧のコーナーでは、第一種指定化学物質全462物質が化管法政令番号順に表示され、シートが作成された物質についてはリンクからファクトシートを見たり、印刷したりすることが可能だ。なお、2008年11月の政令改正で第一種指定化学物質から外れた物質のファクトシートは、参考としてPDFファイルでのみ見ることができる。

また、日常生活でなじみのない専門用語については、用語解説のコーナーで説明している。ファクトシートは、同省の関係ホームページに掲載されるほか、化学物質アドバイザーによる利用など、リスクコミュニケーションに関するさまざまな場で活用されている。

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