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「フェアトレード」 詳細解説

読み:
ふぇあとれーど
英名:
Fair Trade

フェアトレードは、「援助より貿易を」というスローガンの下、1960年代にヨーロッパで始まった社会運動だ。単なる資金援助と違い、途上国の農村地域や都市部のスラムなどで生活する人々に仕事の機会を提供し、そこで生産された農産物や製品を市場価格よりも高い値段で継続的に取り引きすることで、途上国の自立を支援することを目的としている。具体的には、小規模農家や手工芸職人に継続的な仕事をつくり、農薬や化学肥料に頼らない自然農法や、生産地で採れる自然素材と伝統技術を活かした生産を進めるなど、持続可能な社会づくりを目指している。

フェアトレードが普及することにより、生産者は、定期的な収入を得ることによって安定した生活を送ることができるようになる。また、そのことで彼ら自身の手により社会を発展させていくことが可能となる。一方、消費者は、フェアトレード商品を購入することで国際協力に参加できるほか、地域色あふれる本物の手工芸品を手にすることができる。近年、日本でもフェアトレードに取り組む団体や、フェアトレード商品を扱う店舗が増えている。

消費者がフェアトレード商品を識別するために、一定の基準を設けてラベルを表示しようという取り組みが世界中で盛んになっている。1997年にはラベル団体の統一組織として、国際フェアトレードラベル機構(FLO:Fairtrade Labeling Organizations International)が発足した。FLOのフェアトレード規格は、ココアやコーヒー、紅茶などの飲料や、砂糖、果物や野菜、米、香辛料、綿製品などさまざまな製品について定められている。世界のフェアトレード認証製品の市場規模は拡大を続けており、日本でラベルの普及に取り組むNPO法人のフェアトレード・ラベル・ジャパン(FLJ)によると、2011年の時点で49億ユーロ(約5457億円)に上る。

1995年には、ヨーロッパのフェアトレード・ショップ連合が、フェアトレードを普及するための運動を開始。2002年から、欧米や日本などのバイヤー組織、アジアやアフリカ、南米の生産者組織が同時に参加する世界的なイベントとして、「世界フェアトレード・デー」が実施されている。毎年5月の第2土曜日に、国際フェアトレード連盟(IFAT)に加盟する世界70カ国、約300団体のフェアトレード組織と生産者組織が、一斉にイベントやキャンペーンを同時に開催する。

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