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「光触媒」 詳細解説

読み:
ひかりしょくばい
英名:
Photocatalyst

光触媒は、光(紫外線)を吸収して、触媒のように化学反応を促進させる物質だ。光触媒反応は1967年、当時東京大学工学部助教授だった本多健一氏と、同じく大学院生だった藤嶋昭氏によって発見された。光合成を行う葉緑素も光触媒の一種だが、現在産業化が進んでいる代表的な光触媒が酸化チタンだ。酸化チタンをコーティングした材料の表面に光(紫外線)が当たると強い酸化反応が生じ、表面にある有機物を酸化・分解する。この反応を利用すれば、脱臭・消臭、殺菌、防カビ、防汚、有害物質除去などに役立つ。

1992年に酸化チタンを薄くコーティングする技術が開発され、蛍光灯のように弱い紫外線でも有機物を分解できることがわかり、光触媒を活用した製品の研究開発が一気に進んだ。また、1997年には、酸化チタンが紫外線を受けると水をはじく超親水性となって、鏡やガラスが曇りにくくなることがわかった。さらに、汚れ物質などが洗い流される機能があることも発見された。

光触媒がもつさまざまな機能を利用して、次のような製品が実用化、販売されている。1) タイル・塗料・壁紙、2) トンネル内の照明や汚れにくいトイレ・テント、3) 手術室の抗菌タイル、4) 光を当てると効果が回復する消臭剤、5) いやな臭いのつかない冷蔵庫、6) 雨水できれいになる外壁、7) シックハウスの原因物質のひとつであるホルムアルデヒドを除去する空気清浄機―など。光触媒関連の市場規模(国内販売高)は2007年現在で約700億円といわれている。また、(独法)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO技術開発機構)は2009年1月、室内でも使える光触媒の開発に成功した。

光触媒の研究で日本は大きくリードしているが、市場が急拡大したこともあり効果が疑わしい商品も出回った。このため規格化が進められ、2004年に性能評価を行うための試験方法を統一するJIS規格が制定された。その他の規格も順次制定されている。

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