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「屋上緑化」 詳細解説

読み:
おくじょうりょくか
英名:
Vegitation on the Roof

夏に都市部の気温が周辺地域よりも高くなる「ヒートアイランド現象」をやわらげるには、緑化を推進することが効果的であることがわかっている。しかし、都市は地価が高く、活用できる土地があまりない。そこで注目されているのがビルなどの屋上や壁面だ。防水・防根を施し、軽量土壌などを載せ、芝や多肉植物のセダム、樹木や草木を植えることで、都市を緑化することができる。

屋上緑化には、樹木の蒸散作用などによって周囲の気温を下げる効果がある。また、断熱効果による省エネ節電騒音の低減、建物の膨張・収縮による劣化の防止、居住者や労働者、来訪者の憩いのスペースとなるなど、さまざまなメリットがある。東京都による2003年の調査によると、緑化していない屋上表面の日中温度が約55度を示したのに対し、緑化面は約30度、また階下の天井温度の比較でも、緑化が施された部分のほうが1〜3度低かった。このため、熱中症対策としても有効だ。

東京都は、2001年から敷地面積1000平方m以上の民間施設と、250平方m以上の公共施設を対象に、ビルを新築したり改築したりする場合に屋上緑化を義務づける条例を定め、2015年度までに1200へクタールを緑化するという目標を立てた。福岡市は2002年度より面積500平方m以上の民有地で20%以上の緑化をした場合、100万円を上限に費用の半分を負担するなどの助成を開始した。同様の条例を制定したり、助成金を設けたりしている自治体は多い。

2004年には改正された都市緑地保全法が公布・施行され、市区町村が「緑化地域」に指定した区域において、大規模ビル開発などの際に一定割合の緑化が義務づけられた。国土交通省が2013年に行った調査によると、2000〜2012年の13年間で、少なくとも屋上で約357ヘクタール、壁面で約55ヘクタールが緑化された。合計施工面積は東京都が最も広く、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県がこれに続く。

屋上緑化で用いられている植栽を種類別にみると、多肉植物のセダムや複合植栽、芝生などに加えて、「その他草本」による施工面積が増している。

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