国連気候変動枠組条約第20回締約国会議(COP20)及び京都議定書第10回締約国会合(CMP10)が、2014年12月1日から14日未明にかけてペルーのリマで行われた。会合には世界から約200の国と地域が参加し、先進国と途上国が激しく議論を戦わせたが、会期を2日延長した結果「気候行動のためのリマ声明」が採択された。リマ声明は、2020年以降の地球温暖化対策に関する国際的な枠組みの合意(パリ合意)に向けて、各国が約束草案を提出する際に示す情報などを定めている。
2013年11月にポーランドのワルシャワで開かれたCOP19で、2015年にフランスのパリで行われるCOP21以前に、すべての国と地域が削減目標案を定めて提出することが決まった。COP20では、この国別目標案(INDCs)の提出に合わせて示す情報を決めるとともに、各国による目標案の効果に関する統合報告書を作成することで合意を得た。
約束草案に含まれる事前情報は、基準年などの参照値、期間、対象範囲、カバー率などとなった。また、技術専門家会合(TEM)を継続していくことも決定された。さらに、リマ声明には「新枠組みの交渉テキスト案の要素」が添えられることになった。具体的な要素は、緩和、適応、資金、技術開発・移転、行動と支援の透明性、キャパシティ・ビルディングなどで、今後検討が行われる。
温室効果ガスの削減については、2014年9月の国連気候サミット以降、米国や中国が意欲的な目標を掲げるなど気運が高まっており、議論が白熱した。その一方で明確な目標を示していない日本に対しては、各国の代表から目標案の早期提出が求められた。また、資金関連では、途上国支援を目的とする「緑の気候基金」に、合計で102億ドルを拠出する意思が日本など多くの国々から表明され、これを歓迎する採択が行われた。
このほかに、市場メカニズム、技術開発及び移転などに関する議論が行われた。また、途上国における森林の減少や劣化によるCO2の排出を削減する「REDD+」専用ウェブサイトの開設も決まった。2016年のCOP22については、モロッコが議長国を務める意志があると表明している。