A: 八ッ場(やんば)ダムは、利根川の上流である群馬県の長野原町と東吾妻町の境に計画された多目的ダムだ。2009年に国が建設中止を表明した。「八ッ場(やんば)」という地名の由来については、長野原町によるといくつかの説があるという。一つ目は、谷間などに獲物を追い込んで矢を射かける場所である「矢場(やば)」が転じたという説。二つ目は、狩をする場所に8つの落とし穴があったことが元となったという説。そして三つ目は、川の流れが急であることから、「谷場(やば)」が転じて「やんば」となったという説。いずれも狩猟に関係しており、この地に住む人々の暮らしと自然との密接な結びつきを表している。
A: 群馬県の吾妻川で計画された八ッ場ダムは、利水や治水などを目的とする国直轄事業の多目的ダムだ。その建設事業には、同県だけでなく埼玉、東京、千葉、茨城、栃木の1都5県が共同事業者として事業費の一部を負担している。これらの自治体によれば、台風による利根川の洪水から県民と下流都県の住民の生命と財産を守るために、八ッ場ダムの建設は不可欠であるという。また、首都圏では水需要の大部分を利根川水系に依存しているが、平成に入ってから6回も渇水に見舞われた経緯がある。このため、水源を確保するためにも八ッ場ダムが必要であるとしている。