A: 建築物環境衛生管理技術者(ビル管理技術者)は、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(建築物衛生法、またはビル衛生管理法)に基づき、特定建築物の所有者が、特定建築物の維持管理に関する業務の監督を行わせるために選任するものだ。国家試験または講習会によって厚生労働大臣免状を交付された有資格者であることが必要。ビル管理技術者の職務はビルなどの建築物の環境衛生上の維持管理に関する業務全般にわたる監督であり、必要に応じて所有者や占有者などに是正のための意見を述べることもできる。具体的な仕事の内容としては、1) ビル管理業務計画の立案、2) 帳簿書類の整備や施設管理などビル管理業務の指揮監督、3) 管理基準に基づく測定・検査の実施及びその評価、4) 各種是正措置の提案などがある。また、特定建築物の所有者はビル管理業務を委託することもできる。
A: 「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」(建築物衛生法、またはビル衛生管理法)は従来、ビルなどの給水設備の維持管理基準について、飲料水を供給する場合にのみ水道法の水質基準に適合する水を供給することとしていた。しかし、大規模な建築物では、飲用だけでなく浴用や炊事など多様な目的に水が供給されており、細菌の増殖などによる水質汚染を防ぐための措置が必要である。また、再生水や雨水などのいわゆる雑用水の用途も増加している。このため、2003年に建築物衛生法関連政省令が改正され、給水設備を設ける場合は飲用目的だけでなく、手洗いなどの雑用水にも水質規制を適用することが定められた。具体的には、蛇口での遊離残留塩素の含有率や、雑用水槽の点検、雑用水の使用に関する制限などに関する規定が整備された。