A: 欧州連合(EU)は27の加盟国から成り(2011年)、人口約4.99億人(2009年)、国内総生産(GDP)は12兆5061億ユーロ(2008年)に及ぶ。本部はベルギーのブリュッセルにある。その運営は、民主的に選ばれた欧州議会、加盟国を代表する閣僚で構成される欧州連合理事会、元首・政府首脳から成る欧州理事会、共同体法を提案し実施する権限を有する欧州委員会、共同体法遵守を図る欧州裁判所、そして、EUの財政管理を監査する会計監査院によって行われている。さらに、経済的、社会的、地域的な利益を代表するいくつかの諮問機関や、欧州投資銀行がある。EUの先進的な環境政策を担当するのは、運営機関の1つである欧州委員会の政策部門に置かれた環境総局だ。
A: 京都議定書に従い、欧州連合(EU)は、旧15加盟国において、議定書で規制される温室効果ガスの合計排出量を、2012年までに1990年レベル比で8%削減することを約束した。欧州気候変動計画の下で行われた対策のひとつに、排出権取引指令(EU ETS)がある。欧州委員会の年次レポートによると、2009年時点での15カ国の排出量は対基準年比で約12.9%減り、27カ国の排出量は17.3%減っていることから、議定書の目標を前倒しして達成できる見通しだ。このほかの対策として、再生可能エネルギー源の使用拡大や、新車の燃費と建物のエネルギー効率の改善、ゴミ埋立地から出るメタン排出量の削減、エアコンに使われるフッ化ガス規制、エネルギー使用製品の環境配慮設計を進めるEuP(エコデザイン)指令などがある。