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「農山漁村再生可能エネルギー法」 詳細解説

読み:
のうさんぎょそんさいせいかのうえねるぎーほう
英名:
Act for Promotion of Power Generation of Renewable Energy Electricity to take Harmony with Sound Development of Agriculture,Fore

農山漁村での再生可能エネルギー発電を促進する、通称「農山漁村再生可能エネルギー法」が、2013年11月に成立し、公布された。正式名称を「農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律」といい、2013年度中に施行される。農山漁村における再エネ発電設備の整備を進めるために、土地利用などとの調整を図る。同時に、地域における農林漁業の健全な発展に役立つ取り組みを行うことで、再エネ発電の促進と農山漁村振興の両立を目指す。

対象となる再エネ源は、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどだ。これらの再エネを大量に導入することへの期待が高まる一方で、発電設備を建設する土地の確保が大きな課題となっている。解決策のひとつとして、増加している耕作放棄地を再エネ目的に使用する案があるが、農地法などによる規制が壁となってなかなか進まない。そこで、農地法や森林法、漁港漁場整備法、自然公園法などの関連法令に基づく許可及び届出手続を市町村の窓口で一括して行うことのできる「ワンストップ化」を可能にする本法ができた。

また、再エネ発電設備の整備と農地の集約化をあわせて進めるための、市町村による所有権移転等促進事業についても定めている。これにより、農林地などの権利移転を一括して処理することができるようになった。設備整備者がワンストップ化や一括処理などの特例措置を受けるには、国の定める基本方針に基づき、市町村が定める基本計画の要件を満たした設備整備計画を作成・公告し、市町村から認定を受ける必要がある。

設備整備計画では、発電設備の整備内容、農林漁業の発展に役立つ取り組み、それらに必要な資金額及び調達方法などを定める。その計画を設備整備者が作成・公告すると、所有権移転の一括処理が可能になる。また、市町村に計画が認定されると、関係法令に基づく許可があったものとみなされる。市町村が定める基本計画は、市町村、農林漁業者・団体、設備整備者、地域住民、学識経験者などから成る協議会で作成する。このように、地域主導によって再エネ発電設備の整備を計画的に推進する仕組みになっている。

農林水産省は2014年度予算で、「農山漁村活性化再生可能エネルギー総合推進事業」として約2億円を確保した。再エネ発電の利点を活かして地域における農林漁業の発展につながる取り組みを促すことが目的だ。2018年度に、全国100地区で実現することを目標として掲げている。

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