A: 未利用エネルギーによる発電のなかでも近年、注目されているのが出力1000kW以下の小水力発電だ。これに出力3万kW以下の中水力を加えた中小水力発電のポテンシャルに関する調査を、環境省が2009年度に行っている。それによると、発電の賦存量(設備容量)は河川で1800万kW、導入ポテンシャルは80〜1500万kWで、上下水道と工業用水道の導入ポテンシャルは14〜16万kWと推計されている。すでに全国でさまざまな小水力発電所が稼働しており、山梨県都留市は家中川小水力市民発電所を2基稼働し、グリーン電力証書を販売している。また、東京発電(株)が千葉県で行っている「アクアミュー」事業では、農業用水などで生じる落差を利用した水力発電システムを20カ所近く稼働させている。
A: 地域に根差した未利用エネルギーとして注目されているのが、地熱・地中熱・温泉熱など地下深くにある熱を暖房などに生かす取り組みだ。積雪寒冷地である青森県では、2008年に策定した「青森県地中熱利用推進ビジョン」に基づき、温暖化対策やエネルギーコストの削減を目的として地熱などのエネルギー利用を促進している。戸建住宅での地中熱利用冷暖房システムの普及拡大を目指す実証事業や、高温源泉の余剰排熱を宿泊施設内の冷暖房に利用するモデル事業を実施した。また、2012年度にかけて実施する「地中熱利用普及拡大事業」では、青森型地中熱ヒートポンプシステムについて検討する予定だ。