A: 資源エネルギー庁は、主な業界におけるコージェネレーションの導入事例をまとめている。ある化学工場では、発電出力7000kW級のガスタービン1台を導入し、年間で原油に換算して約4900klの省エネを実現した。取り出した電気は機器の運転や空調・照明などに活用し、蒸気も生産工程や空調に利用している。また、ある病院では2000kW級のガスエンジン2台を導入し、ほかの対策も加えて一次エネルギー消費を約14%削減することに成功した。このほかにも官公庁や老人保健施設、ホテルなどで導入が進みつつある。また、地域冷暖房への活用事例も多い。
A: 電気と熱を同時に発生させるコージェネレーションの大きな特徴は、必要とされる施設で発電ができる「分散型エネルギー供給システム」であることだ。このため、大型火力発電所から送電される場合に生じる発電ロスを最小限に抑えることができ、エネルギーを無駄なく使うことができる。このようにエネルギー利用効率が高いため、コージェネレーションは、省エネルギーを実現し、CO2の削減に貢献する環境負荷の低い発電システムとして期待されている。また、地域個別的な発電・給湯システムであるため、災害時などにもし発電所からの送電が止まっても、発電・給湯システムとして活用することができるのも利点だ。