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「臨界」 とは

読み:
りんかい
英名:
Criticality

核分裂の連鎖反応において、中性子の生成と消失とが均衡している状態のこと。臨界現象の下では大量の原子核が連鎖反応によって崩壊しており、この状態を制御して核エネルギーを連続して取り出す装置が原子炉だ。臨界状態で放出されたエネルギーは、初めは大きく、その後一定してエネルギー放出を続ける。しかし、水などの減速材を取り除いたり、中性子吸収効果のあるホウ素やカドミウムなどでできた制御棒を注入したりして反応する中性子をなくすと、臨界は収束する。この原理を利用して、原子炉の制御を行うことが可能となる。

1999年9月に茨城県の東海村で発生したウラン加工施設の臨界事故では、多量の濃縮ウランを使用目的が異なる容器へと一度に注いだため、ウランの核分裂が連鎖反応を起こして臨界に至ってしまった。この事故により150名が被ばくし、作業員2名が死亡。高速増殖炉「もんじゅ」における金属ナトリウム漏えい事故とともに、わが国の原子力政策のあり方を考える上で大きな課題を残した。

一方、物理学の世界では気体と液体が共存できる限界の温度と圧力のことを臨界点と呼び、水の場合は一定の温度と圧力の条件下で氷でも水でも水蒸気でもない超臨界水となる。超臨界水は反応溶媒としてさまざまな効能をもち、ダイオキシン類やPCBなど有害物質の分解にも利用されている。

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