野外で、焼却設備を用いずに廃棄物を燃やすこと。野焼きを行うと煙や悪臭が公害の原因となるほか、焼却温度が最高でも約300度にしか達しないためダイオキシン類が発生しやすいといった問題がある。2007年度の悪臭に関する苦情件数を発生源別に見ると、野焼きに関するものが4608件で最も多く、全体の約26.3%を占めた。野焼きは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」で禁止されており、違反した場合は5年以下の懲役か1000万円以下の罰金のいずれかまたは両方が科される。
野焼きには地面の上で物を直接焼却する場合のほか、同法の施行令で定める焼却構造基準に適合しない設備で物を焼却することや、素掘りの穴、ドラム缶、ブロック囲いなどによる焼却行為も含まれる。このため、廃棄物をそのまま燃やせばほとんど野焼きにあたるので注意が必要だ。ただし、次の場合は例外的に野焼きをすることが認められている。1) 河川敷や道路脇の草焼きなど国や地方自治体が施設管理を行う上で必要な場合、2) 災害の応急対策や火災予防訓練、3) 正月のしめ縄・門松を焚くといった風俗習慣上や宗教上の行事、4) 焼き畑や畔の草・下枝の焼却など農林漁業を営む上で必要な場合、5) 落ち葉たきやキャンプファイヤー――など。