スーパーなどで使用されている、発泡スチロールなどの樹脂でできた食品包装容器。鮮度保持や軽さ、衛生性、商品の保護適性、成形加工適性など、優れた特性をもち、食品の流通に欠かせないものになっている。現在では年間約10万t、枚数にして125〜200億枚が生産されている。しかし、当初、使い捨てだったことや、ごみになった際にかさばることなどを理由に、回収を求める消費者の声が強くなったため、スーパーなどの量販店や包装資材店が協力して、使用済みの発泡スチロール製食品トレイを店頭で回収し、リサイクルする「自主的回収リサイクル」が1990年に始まり、現在も続いている。主な回収ルートは、1) スーパーの店頭から物流センター経由でトレイメーカー、2) スーパーの店頭から包装資材店経由でトレイメーカー、3) 学校からトレイメーカー、4) 行政からトレイメーカー、などがあり、1)と2)のルートが全体の9割以上を占めるといわれる。回収された食品トレイは雑貨などにリサイクルされたり、原料の石油状に還元されたりする。リサイクル品の用途としては、食品トレイやインゴット、ペレット、屋外用テーブルセットなどのほか、文具やボールペン、植木鉢、建材、土木用材などがある。最近は、原材料として、発泡スチロールだけでなく、ポリプロピレンやPET樹脂、植物などを原料としたバイオマスプラスチックを使った食品包装容器も多いため、リサイクルする時には注意が必要だ。