「ただ乗りする人」を意味する言葉で、自分がコストを負担することなく、公共財などの恩恵を受けようとする人を指して用いられる。とくに環境分野では、環境保全のために設けられた規制の網をかいくぐって、本来負担すべき費用を支払わずに利益を得る「ただ乗り事業者」をこう呼ぶ。たとえば、容器包装リサイクル法は、容器包装を使用して事業を行う特定事業者に再商品化の義務を課している。しかし、特定事業者であるにもかかわらず、容器包装廃棄物の自主回収や独自の再商品化を実施せず、再商品化のための費用負担も行っていない事業者は多い。2001年度に経済産業省が行った調査では、約35％の事業者が委託契約を締結していなかった。
このため、2006年に同法の一部が改正され、ただ乗り事業者に対する罰則が2007年度分から引き上げられ、50万円以下だった罰金が100万円以下となった。一方、環境、経済産業、農林水産の３省は2008年８月、正当な理由がないのに再商品化義務を履行しなかった事業者について、勧告に従わなかったことと名称などを公表した上で、再商品化を命じた。
