「利用可能な最善の手法」の略称。企業などが環境対策を行うにあたり、その時点で考えられる最高の環境基準を検討し、最も優れた技術や設備を選ぶ際などに用いられる手法だ。欧米諸国ではすでに採用されており、EUは統合的汚染防止管理指令(IPPC指令)で、汚染者負担の原則に基づき対象施設の設置を許可制にしている。また、米国は大気汚染や水質汚濁などの防止に関して、BATの水準をもとに汚染物質の排出基準を設定する仕組みを構築している。
日本では化学物質審査規制法が、化学物質を製造する際に副生する化学物質の生成をできる限り抑えるため、BATを適用して工業技術的・経済的に可能なレベルまで低減すべきという考えに立っている。環境省は先進対策をBATと位置付けて、先進対策の効率的実施による業務CO2排出量大幅削減事業設備補助事業を行っている。機器の省エネ分野では、BATによく似た手法として省エネ法の「トップランナー方式」がある。