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「ダイバーシティ経営」 詳細解説

読み:
だいばーしてぃけいえい
英名:
Diversity Management

あらゆる人が自分の能力を最大限に発揮して働き、生きられる社会をつくっていくには、そのための場や機会が提供されている必要がある。しかし、日本では女性の社会参画が遅れており、高齢者や障害者はもちろん、外国から来た労働者の働く環境が整っていないのが現状だ。こうした中、多様性(ダイバーシティ)にあふれる人材を活かし、能力を最大限発揮できる機会を提供することでイノベーション(革新)を誘発し、価値創造につなげていく「ダイバーシティ経営」に力を入れる企業が増えつつある。

ダイバーシティ経営が注目されているのは、その推進が国際的な潮流であり、多くの企業が経営戦略として取り組む必要性を実感しているためだ。企業にとって、多様化する顧客ニーズを的確に把握し、収益機会を得るためのイノベーションを創出することは、競争力を強める上での至上命題だ。また、持続可能性のある投資先として投資家からの信頼を得るためにも、ダイバーシティ経営に力を入れて企業価値を向上させる必要がある。

大事なのは、ダイバーシティ経営の目的は経営面での成果につなげていくことであり、単に多様な背景をもつ社員を集めることではないということだ。それゆえ、福利厚生やCSR(企業の社会的責任)の一環として行うものではない。企業は、ダイバーシティ経営を推進するための戦略を策定し、トップ自らが自社にとっての位置づけなどをコミットメントとして発信する。また、ダイバーシティ経営を企業理念や各種指針、計画に位置付ける。明確な目標設定やチェックの実施、推進部門の設置なども重要だ。

経済産業省は、ダイバーシティ経営により実現が期待される経営上の成果を大きく4分類している。第一の「プロダクトイノベーション」は、多様な人材がもつさまざまな知識や経験を集積して新たな発想を生み出し、製品やサービスの新規開発や改良などにつなげることだ。第二の「プロセスイノベーション」は、同様に製品やサービスを開発、製造、販売する手段の開発などを行うもの。第三の「外的評価の向上」は、顧客満足度や社会的認知度など、社会的な評価を高めることだ。そして第四の「職場内の効果」は、従業員の労働意欲の向上や職場環境の改善などを指す。同省は、ダイバーシティ経営により企業価値の向上を果たした企業を表彰する事業を、2012年度から実施している。

一方、人種や性別などの表層的なものにとどまらず、技術・知識・経験・趣味趣向・個性・思想など、より内面に踏み込むディープ・ダイバシティや、多様性にとどまらず包括することを目指す「インクルージョン」(包含)の視点に立った経営を志向する企業もある。

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