A: 企業は社会に対してよい製品やサービスを提供し、その見返りとして利益を得て、株主に配当を行う。また、協力会社との取引や貿易、雇用などを通じて、社会や地域経済の活性化に貢献する。企業が本業を通じてCSRを実践し、持続可能な経営を行っていくためには、さまざまな利害関係者の意見や提案を真摯に受け止めて、問題点があれば改善していく姿勢が必要だ。企業経営に利害関係者の意見を反映するために、双方向の形で話を聞くステークホルダーダイアログは、そのためのコミュニケーションツールとして重視されており、多くの企業が実施してその成果を公表している。
A: ステークホルダーエンゲージメントは、企業が事業活動や意思決定を行う際に、利害関係者の要請や期待、関心、評価などを十分に理解して反映させる取り組み全般を指す言葉だ。一方、ステークホルダーダイアログは、企業が利害関係者の考えを経営に反映するために、実際にさまざまな関係者に集まってもらって双方向の形で話を聞く場だ。社会的責任のガイダンス規格であるISO26000はエンゲージメントについて1章を設けており、対話を重視している。同規格に基づくエンゲージメントを実現する手法として、ダイアログへの期待はさらに高まっている。