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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」10 光は愛の信号、ゲンジボタル

連載「日本昆虫記」10 光は愛の信号、ゲンジボタル
2010年04月14日


 日が暮れて30分、あたりが真っ暗になる頃、川の畔の草むらで小さな光が点滅をはじめます。ゲンジボタルです。その数はどんどん増えて、川に沿って光りながら飛ぶようすはとても美しいものです。飛んでいるのはたいていがオスで、メスは草むらで光りながらオスを待っています。
 ゲンジボタルが光るのはオスとメスが出会うためです。ぼくたちの祖先も夜に合図をするのに光を使いましたが、ホタルはずっと前から光を信号として使ってきたのだからすごいとおもいませんか。ゲンジボタルは東日本では4秒に1回、西日本では2秒に1回光るといわれています。東と西で光り方が違うなんて、関東と関西で言葉が違うみたいで面白いですね。
 ゲンジボタルは本州から九州に住んでいて、年1回、5月末から活動をはじめます。住んでいるのは水が綺麗な浅い川です。幼虫は川の中でカワニナという貝を食べて育ち、サクラの花の散った頃に川から上陸して、土に潜って蛹になります。カワニナは汚れた水には住めないし、川岸が、護岸工事などでコンクリートになってしまえば上陸できなくなってしまいます。それでも最近は川の水も以前より綺麗になってきて、ゲンジボタルを保護しようとする人も増えたので、一時より見られる場所が増えてきました。
 写真は水路の上を飛ぶゲンジボタル。3分間ぐらいシャッターを開けておくとこんな写真が撮れる。ゲンジボタルの光りはほとんど熱を持たない。とてもエネルギー効率がよいエコな光りだ。

今日のハワイ昆虫記は樹上性のヨコエビ(ハワイ特産種)

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