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海野和男のデジタル昆虫記

サイゴンの街角

サイゴンの街角
2010年01月16日


 昨年の12月31日の夜はサイゴンで過ごした。サイゴンはホーチミンという名前が正しいが、今でも道路標識にSaigonと書いてあったりする。
 同行者はこの日の夜行便で戻ったので、さてどうしようかと夜の町を散策した。ぼくも翌日には日本に戻る。ベトナムの通貨、ドンもそれほどあるわけでもない。ホテルまで歩いて30分ほど、適当な店も見つからず、とりあえずホテルに戻った。汗をかいたのでシャワーを浴びたが、最後の夜だ。再び町を散策。そして見つけたのがPrison Barと看板がある店。暮れに編集者と麻布あたりで忘年会の後、プリズンバーという面白いバーがあるとのことで行ってみた。残念ながら、そこはシステムが変わっていて、ただの飲み屋だった。その雪辱戦である。
 入り口にごついおばさんがいて入場料を取る。250円だった。お金を払うとクローバーの青いはんこを手の甲に押される。なるほどこれで囚人というわけだ。
 中は超満員。入り口から見ると2件に見える建物が中で繋がっていた。客はベトナム戦争を体験したぐらいの年代のアメリカ人の夫婦や、若いオーストラリア人とベトナム女性のカップルなど多彩だった。ぼくぐらいの年齢の欧米人が多く、ライブは古き良き音楽が中心。手拍子足拍子をとるのはやはり、その時代に青春を過ごした人だ。夜が更けると現地の若者も増えてきた。よい光景がたくさんあり、カメラを置いて来たのがとても残念だった。飲み物は生ビールが200円ぐらい。さすがというかフランスのカルバドスもあったのでいただく。
 翌朝、1月1日、その店の前を通るが、夢か幻か、Prison Barという表示はなかった。しばらく歩くとフォルクスワーゲンカルマンギアがとまっていた。なぜかほこりをかぶっている。この車は1955年から1973年まで生産されたから、ベトナム戦争の時期と一致する。EP-2 14-42

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