サイト内
ウェブ

海野和男のデジタル昆虫記

ラフレッシア

ラフレッシア
2008年03月13日


 今年のマレーシアの3月は天候不順。こちらへ来て、毎日雨。日が射すのは一日2時間ぐらいしかない。そのせいか雨期に花を咲かすことの多いラフレッシアが咲いているという。
 ラフレッシアは世界一大きい花を咲かせるアーノルディーを含む植物で、以前はアーノルディーのような巨大なラフレッシアはマレーシアにはないとされていた。それが見つかったのは20年ほど前。Rafflesia kerriiという種だ。けれどずっと以前から薬草として蕾が売られていたという話もあるから、オランアスリーのようなジャングルの民はもちろん知っていたであろう。
 カズラのような植物に寄生し、キャベツのような大きな玉を作る。開花までには2年ほどかかり、花は数日の寿命という。悪臭で知られるが、実際には鼻を近づけて、少し臭いなという程度。ハエが受粉すると言われている。
 ぼくがはじめてラフッレシアを見たのは確か1980年のスマトラのブキチンギという場所。スマトラにはその後もラフレッシアを見に行ったことがあり、今回が3回目。
 マレーシアのラフレッシアは発見当時から見たいと思っていたが、かなりの山奥でなかなか行くことはできなかった。今は近くを道路が走っていて、オランアスリーの村まで車で行くことができる。ガイドはジャングルの民、アスリー人だからものすごく足が速い。途中は写真を撮る時間もなく1時間少し歩いて現場に到着。ぼくが一人で歩いたら2時間以上かかるだろう。それでもスマトラでラフレッシア探しをした時と比べればとてもたやすい。
 蕾は年中見られるが開花しているラフレッシアを見るのは、数日という花の寿命故に、運ということになる。こうした貴重な生物がたやすく見られるようになって良かったと思う。今でもラフレッシアを見るためには歩かねばならない。そして、それを見る人はアドベンチャー気分を味わうことができるだろう。昔はもっとその気分は素敵なものだったけれど、一部の人にしか知られずにその環境が失われていってしまった。今は大衆化することで、そこにかかわる人も多くなり、結果、環境は残されるのだろう。
 何はともあれ、今日は運良く、開花4日目という、ぎりぎり見頃のラフレッシアを一つだけ見ることができ、マレーシアで見たかったという願いがかなった。直径は90cm近い。
オリンパスE−510  12−60

関連タグ
東洋区
マレーシア
前日
翌日

お知らせ

NEW

単行本

連載

◎過去の小諸日記

海野和男写真事務所へのご連絡、小諸日記へのご意見

プロフィールページのアドレスへ

掲載情報の著作権は海野和男写真事務所に帰属します。
Copyright(C) 2024 UNNO PHOTO OFFICE All Rights Reserved.

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。