今朝は富士山に大きな笠雲の帽子 ただ雪や雨の心配はなし

  • 2025年2月26日
  • ウェザーニューズ

2025/02/26 07:16 ウェザーニュース

今日26日(水)の朝は富士山に「笠雲」がかかりました。湿った風が富士山を乗り越えるときに発生する、地形が由来の雲です。

この「笠雲」が見られると天気が下り坂に向かうことが多いと言われますが、今日は周辺で雪や雨の心配はない見込みです。

笠雲やつるし雲のできる仕組み

笠雲やつるし雲は「レンズ雲」と呼ばれる種類の雲の一種で、高い山の真上や風下に出現します。山が笠を被っているように見えることから、笠雲と呼ばれます。同様につるし雲は、山の風下に吊されているように見えるので「つるし雲」と呼ばれます。

笠雲やつるし雲は
 ・ある程度の強風が吹いている
 ・上空の空気の湿度が高い
という気象条件が重なった時に発生しやすくなります。

強い風が山にぶつかると、両側や上方に風の流れが変わります。空気が湿っていると、空気が山にぶつかって持ち上げられ膨張して冷えることで雲ができ、山頂の風下側では再び空気が下ることで空気が暖まって雲が消える、という原理で山頂付近にだけ雲ができます。この山頂付近にできた雲が笠雲です。

時間が経過しても空気の流れは急には変化せず、風が上昇する過程で雲が発生して、風が下降する過程で雲が消えていくという現象を絶え間なく繰り返すことによって、同じ場所で雲が止まって見えるわけです。

風下にあたる富士山の東側にはつるし雲と呼ばれる雲も見えています。つるし雲は、富士山のような単独峰の風下では円盤状や手羽先状のレンズ雲になり、山脈の風下にできる場合は山脈と平行な帯状のロール雲になることもあります。

今日は北日本を寒冷前線が通過していて、富士山上空では前線に向かって南西から湿った空気が流れ込んでいます。さらに、富士山山頂に近い高度では平均風速で30m/s近い西寄りの強い風が吹いていて、笠雲やつるし雲が発生したとみられます。

午後にかけても晴天が続く

今日は富士山周辺までは寒冷前線の雲が南下することはないとみています。そのため周辺が雲に覆われたり天気が崩れることはなく、このあとも晴天が続く見込みです。たっぷりの日差しにより気温も上昇傾向で、山梨県甲府市では15℃、静岡県静岡市では16℃まで上る見込みです。ただ、地上付近でも西寄りの風が強まるため、風を通しにくい服装がよさそうです。

また、強風に乗ってスギ花粉が飛散しやすくなります。花粉症の方は対策をしっかりと行うようにしてください。

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)

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