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久間田琳加「現場でもどっしりと構えている姿がとてもかっこいい」座長としての立ち振る舞いを学んだ俳優を語る

  • 2023年9月1日
  • Walkerplus

シリーズ累計発行部数55万部を突破し、「10代女子が選ぶ文芸小説No.1」にも選ばれた恋愛小説「夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく」の実写映画が公開中。

学校ではマスクを手放せずにいる女子高生・丹羽茜を久間田琳加、絵を描くことが好きで誰からも一目置かれる存在の男子高生・深川青磁をJO1の白岩瑠姫が演じる本作では、2人の高校生の日常、恋愛模様を丁寧かつエモーショナルに描いていく。

マスクで顔と心を隠すという難しい役どころを演じた久間田に、本作の見どころはもちろん、多数の作品で主演を務めることへの心情、尊敬する先輩俳優についてなどを語ってもらった。

■リハーサルの段階から号泣するほど役と一心同体に
――最初に原作を読まれたときの印象はいかがでしたか?

【久間田琳加】私も茜のように、言いたいことがはっきりと言えなかったり、言えても遠回しになってしまったりすることが多いので、すごく共感できると思いました。私が今まで演じさせてもらった役の中で、一番リアルな女の子といいますか、私だけじゃなくて、たくさんの方たちが共通して抱いている感情を持った子だなと。だから、原作を読んでいて「頑張れ、茜!」と終始応援していました。

――そこから台本を読んでみて、原作との違いなど新たに感じたことを教えてください。

【久間田琳加】茜と青磁が教室の別々の場所にいて、それぞれイヤフォンで同じ音楽をペアリングして聴くというシーンがあるんですけど、それがすごく今っぽいなと思いました。原作にはなく、映画オリジナルのシーンなのですが、2人が学校生活を送っていたら自然とやっていただろうなと思えましたし、その他にも茜と青磁にすごくピッタリなシーンがたくさんあったので、台本を読んで撮影がさらに楽しみになりましたね。

――先行して公開されたオフィシャルのコメント動画では、「茜は難しい役どころ」というお話もされていましたが、どのような部分でそう感じたのでしょうか。

【久間田琳加】これまでお芝居をしているときは、表情でも表現をしていたので、マスクをすることでそれができなくなってしまうというところに、不安や難しさを感じていました。あとは、普段はマスクで本心を隠している茜が、とある屋上のシーンでは感情を爆発させるのですが、その感情の出し方が学生というか若い世代ならではという出し方で。自分もきっと若い頃は持っていた感情だと思うんですけど、大人になった今、その感情を探すのがちょっと難しかったんです。

大人になると感情を爆発させることって少なくなりますし、そうやって自分の感情をさらけ出すことってすごく勇気のいることだと思って。だからこそ、そのシーンを撮り終えたあとは私自身も本当に気持ちがスッキリしたし、より一層、茜を理解できて演じやすくなったなと感じました。

――本当に茜と一心同体になっていたんですね。

【久間田琳加】そうなんです。だから、私自身の気持ちも台詞に重ねてしまいました。その屋上のシーンでは、リハーサルの段階から、なぜだか涙が止まらなくなってしまって、酒井麻衣監督にも「まだ100%出さなくていいから」と止められるぐらい。わかっているけど感情が抑えられない、という感覚でした。それぐらい茜と一つになっていたので、そのシーンは自分の中でもすごく思い出に残っています。

■憧れの俳優は門脇麦
――マスクで顔を隠すという茜の心情は、コロナ禍を経た今の時代は本が出版された当時以上に共感されやすいかと思いますが、久間田さんご自身は“マスクで隠す”ということについてどう感じていますか?

【久間田琳加】何がお守りになるのかは人それぞれで、茜の場合はマスクだったということだと思うんです。私もコロナ禍でマスクをすることが当たり前になり、茜とは別の意味にはなりますけど、マスクで表情を隠せる安心感というのはすごく理解できます。

――茜のマスクのように、久間田さんにとってのお守りのようなものはあるのでしょうか?

【久間田琳加】私は毎朝、仕事へ向かうときに必ず音楽を聴いているんですけど、イヤフォンの充電を忘れていて音楽を聴けなかったときは本当に絶望的な気持ちになります。「もう今日は最悪な日の始まりだ」っていうぐらい(笑)。あと、気持ちをリセットするときにも音楽を聴いているので、私にとっては音楽がお守りのような存在です。

――これまでにも主演という立場を経験されてきた久間田さんですが、作品の主演を務めるということに対して、意識していることがあれば教えてください。

【久間田琳加】毎回まだまだだったなと反省することが多いのですが、最近は自分が準備してきたものに自信を持ってやってみる、というのは心がけています。不安な気持ちのまま取り組んでしまうと、それが周囲の方々に伝わってしまうような気もしますし、本作でいうと、酒井監督にだけは不安な気持ちとかを見せていましたけど、他の方々には決して見せないようにしていました。

――最近は、ということは、そのような考え方をできるようになったきっかけがあったのでしょうか?

【久間田琳加】いろいろな作品を経て、たくさんの先輩方の姿を間近で見たことがきっかけだと思います。やっぱり座長となる人がしっかりしていると安心感もあって信頼できますし、ついていきたいという気持ちにもなる。そしてそれが全体の空気をよくすると感じたので、私の場合はまだ見かけから入る形にはなりますけど、まずは自信を持ってやる、ということを意識しています。

――座長としての居方が特に学びになったと感じる俳優さんはいますか?

【久間田琳加】ドラマ「ながたんと青と -いちかの料理帖-」でご一緒させていただいた門脇麦さんは、現場での座長としての振る舞いがものすごく勉強になりました。私自身も自然と身を委ねてお芝居ができましたし、門脇さんのおかげで作品の世界観に入り込めたという感覚があったんです。不安を跳ね返す力を持っている方で、現場でもどっしりと構えている姿がとてもかっこよくて。私も門脇さんのような座長になりたいと思っています。

■自身とは真逆の役柄を演じることで「やりがいと楽しさを感じました」
――今後チャレンジしてみたい役柄はありますか?

【久間田琳加】ドラマ「こっち向いてよ向井くん」にゲストヒロインとして出演させていただいたのですが、そのときに演じた羽鳥アンという女の子は、天真爛漫なイマドキ女子という感じで、これまで演じたことのない役柄でした。初めて自分とは真逆のキャラクターを演じるということで、周囲の人たちをすごく観察するようになったんです。

今までとは違う役作りの仕方をしたこともあって、これまでとはまた違ったやりがいと楽しさを感じました。私は世間のイメージでは明るい子だと思われがちなんですけど、実際はそんなこともなくて。だから、今後は皆さんが持ってくださっているイメージとはまったく違う役柄にも挑戦していきたいと思っています。

――久間田さんは今年大学を卒業されたとのことですが、卒業前と卒業後でご自身の心境に変化はあったのでしょうか。

【久間田琳加】卒業したときは、「本当にこの世界が私の仕事になっていくんだ」という実感が湧きました。そして卒業後は、同世代の友人が社会人1年目だったり、就職活動をしていたりということもあって、「仕事をするってどういう感覚?」と聞かれることが多くなりました。友人と話すことで私自身も仕事への向き合い方を考えるようになりましたし、この仕事で頑張っていくという決意を改めて抱くことができたと思います。

撮影=大塚秀美
取材・文=榎本麻紀恵
ヘアメイク=Mien(Lila)
スタイリスト=Toriyama悦代(One8tokyo)

(C)2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会

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