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BLドラマ「4月の東京は…」石橋夕帆監督にインタビュー!「櫻井さんと髙松さんはいいコンビ」 【場面写真独占公開!】

  • 2023年7月27日
  • Walkerplus

櫻井佑樹(劇団EXILE)と髙松アロハ(超特急)という注目の2人が、強く惹かれ合う恋人たちを熱演する「4月の東京は…」。ハルの同名人気BL(ボーイズラブ)漫画が、MBSのドラマシャワー枠×KADOKAWAが手掛けるBLドラマレーベル・トゥンクでドラマ化された。本作を手掛けるのは、新進気鋭の若手女性監督・石橋夕帆。「北欧こじらせ日記」(2022)、「ぼくらの食卓」(2023)のほか、田辺・弁慶映画祭コンペティション部門映画.com賞等を受賞した「ぼくらのさいご」(2015)や「左様なら」(2018)、さらには作・演出を務めた舞台「川澄くんの恋人」(2020)など、映画・ドラマ・舞台とマルチに活躍している。

今回は、ウォーカープラス独占で場面写真を公開!さらに、和真と蓮の関係性に注目が集まる第7話・第8話を目前に、見どころや制作秘話を監督に伺った。

■櫻井さんは人懐っこくて、髙松さんはお兄ちゃんっぽさがありました

――まずは、監督オファーを受けた際のお気持ちをお聞かせください。

最初は「MBSで放送予定のBL漫画が原作のドラマ」という情報だけ伺いまして。「どの原作なんだろう?」とそわそわしていましたが、少ししてから「4月の東京は…」であることがわかりました。実はもともと原作を読んでいて、とても素敵な作品だなと感じていましたので、ぜひ監督としてこの作品に参加させて頂きたいと思いました。

――監督オファー前から原作をご存知だったのですね。原作の印象はいかがでしたか?

まず、和真と蓮の間に起きた出来事があまりに衝撃的で…子供の頃、正しいとかそうじゃないとかはさておき、大人の言うことに従わざるを得ないような状況は、きっと多くの人が経験していると思います。自分で自分の人生をコントロールできない。あの時のとてつもない“無力感”は、いまでも覚えてるんですよね。また、引き裂かれてしまった和真と蓮ですが、その想いはあまりにも深くて。和真はいなくなった蓮を世界中探しちゃうし、そして蓮も和真を守るためにあまりにも重たいものを一人で背負って生きてきていて。人を愛する想いの強さが苦しいほどに伝わってきて、とても胸を打たれました。

――W主演を務めた櫻井佑樹さんと髙松アロハさんはどのような方でしたか?

櫻井さんは、第一印象では静かな感じの人なのかな?と思っていたのですが、現場に入ったらすぐにイメージが覆りました(笑)。とにかく人懐っこい方でしたね。髙松さんは、明るくてよく喋る方、という印象を持っていましたが、櫻井さんが現場に入りどんどん自然体になって本領発揮してくると、「はいはい」って感じで。ちょっとだけお兄ちゃん感というか。なんかいいコンビだなって(笑)。お二人のお陰で現場の空気もとても和やかでした!

――本読みの際に、石橋監督が登場人物を深堀りした資料を作ってこられたと伺いました。

あくまで“ドラマ版”としてですが、キャラクターシートを作っていったんです。原作から拾える情報(明確には描かれていないけど、きっとこうだろうという推測の部分も含めて)や、私なりに解釈させて頂いたそれぞれの性格的な部分を書きました。

――すごく興味深いです!和真と蓮をどのような人物と捉えられていたのでしょうか?

いまちょっと見返してみたんですが、和真に関しては「恋愛とか抜きにしても恐らく蓮のことは全人類の中で一番好き」とか書いてますね(笑)。あとは「勉強も人付き合いも程よくできるのに、どこか“未成熟”な部分がある」とか。これは私的に結構重要なポイントでした。この作品にとって、本当の意味で“大人になる”ということが重要なテーマだと思っていたので。

蓮に関しては「周囲からは自信に満ちていて強い人に見えているが、仕事以外の部分では自己肯定感低め」とか「自覚はないが、自分が関わった人間に対して情が深い」とか。和真は“蓮がすべて”という人なので、ここは少しだけ2人の違う部分なのかなと。そして一番大きな部分としては「大切な人の為なら自分が傷つくことを厭わない」ということですかね。すべて自分一人で背負ってしまう。蓮は10年前の出来事もあって、自分の人生に和真を巻き込めないという気持ちが大きいのかなと思います。

そういう風に、それぞれがどういう人物で、どういう行動理念を持っているか、みたいなところは、本読みの段階からお二人とたくさんお話させて頂きました。

■ベッドシーンは“幻想的”に。照明や撮影は緻密に相談しました

――ドラマの前半数話では、10年ぶりの再会以降、少しずつ距離を詰めていく2人が描かれていました。石橋監督のこだわりやポイントをお聞かせください。

1話ではふたりの“再会”にフォーカスし、過去の描写は“美しい思い出”という範囲に留めました。初回では視聴者の皆様に「重たい」という印象を与えず、なるべく間口を狭めないようにしたいなと考えていました。それと、3話までは和真視点で描こうというのも決めていましたね。そして、4話で蓮視点になったときにやっと10年前の真相が明らかになるという。なかでも、蓮の手で和真の目を覆うシーンは原作でもとても好きな部分だったので、素敵に演じて頂けてうれしかったです。

――4話冒頭のシーンですよね!同じく4話での、ソファやキッチンでの2人のやりとりに悶えるファンも多かったと思います。

どの作品でもそうなのですが、私は特に何も起きないような日常シーンが好きで。ゆるい空気感やくすっと笑ってしまうようなやり取りが好きなんです。食卓を囲んで2人で話しているシーンでは、蓮が和真に質問攻めされて「何これ、お見合い?」って突っ込んじゃう感じとか、ソファでのくつろぎ方とか、台所では和真が料理の腕前をさらっと見せてきて「なんかむかつく」「なんで?」とか。日々の中のほんのささやかなやり取りなんですが、そういうところに人間っぽさが出る気がしています。

――ベッドシーンの描写ではどのようなことを意識されたのでしょうか?

ベッドシーンは“幻想的”にしたくて、カメラもハンディで浮遊感を出して貰っています。照明も綿密に相談させて頂きましたね。2人の抱える事情や関係性はその時々で異なりますが、和真も蓮も相手のことが何よりも大切で、愛おしくってたまらなくて、どんな状況でも繋がれること自体は幸せなんですよね。取り繕いきれなくって、想いが溢れ出てしまう…みたいな。そういうニュアンスが出せればなと思っていました。

――石橋監督は、SNSでの視聴者の反応も丁寧にご覧になっている印象です。

私がただの漫画オタクなので、そっち方向の勢いのあるコメントがめちゃくちゃ好きです!皆さまのワードセンスが素晴らし過ぎて(笑)。あとは放送が終了した瞬間に「体感5分だった」「秒だった」と仰って頂けると、作品の世界に没入して頂けていたんだなと感じます。そして何より、和真や蓮、物語に寄り添ったお言葉を頂けることが本当にありがたくて。ちゃんと届いているんだなと実感できて、うれしくなります。

■必死に向き合って作り上げた作品をぜひ最後まで見届けていただければ

――5話以降、舞台となる会社でのハラスメント事件や蓮の失踪など、物語が佳境に入っていきますね。

全8話のうち、5話(本田大介監督)と6話(岸田雅喜監督)は別の方が監督を務められたのですが、5話の方は脚本だけ入らせて頂いていて。実は脚本だけ担当するのは今回が初めてだったので、「ほかの人が演出するとこういう感じになるんだ!」というのが純粋におもしろかったです。ストーリーとしては、前田さんの告白をきっかけに真田部長の事件が明らかになって、和真の母も現れて…蓮が再びたくさんのものを一人で背負いこんでしまいます。視聴者の皆様も「しんどっ」ってなるかもしれませんが、安心して下さい。和真の愛は激重なので(笑)。信じて見守って頂けましたら幸いです!

――最後に、作品のファンに向けてメッセージをお願いします。

原作が持っている魅力や、ちゃんと伝えなくてはならないものを見落とさないように、必死にこの作品と向き合ってきました。私自身、監督としてまだまだ未熟で、至らない点もたくさんあったと思います。それでも、主演のお二人をはじめとして素敵なキャスト・スタッフの皆様と一緒にこの作品を形にできたことは、何よりの財産です。和真と蓮、2人の物語をぜひ最後まで見届けて頂けましたら幸いです。

和真と蓮の10年越しの恋愛を描くドラマ「4月の東京は…」は8月3日(木)に最終話を迎える。偶然の再会からふたたび動き出した2人の運命の恋の結末はいかに――最後までお見逃しなく!

取材・文=澤田麻依

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