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【NMB48 衣装図鑑】『好きだ虫』川上千尋&前田令子着用の衣装を徹底解説!初センター・ちっひーの衣装はすべてが特別仕様…その違いとは?

  • 2023年2月17日
  • Walkerplus

大阪・なんばを拠点に活動する「NMB48」。かわいいだけでなくお笑いもこなす親しみやすいアイドルグループとして、2023年には結成13年目を迎え、メンバーたちはバラエティタレントにモデル、グラビアアイドルなど、あらゆるジャンルの前線で活躍している。

そんなメンバーの個性を彩ってきたのが、オリジナルの衣装たち。この記事では、その多種多様な形や色、制作の裏話をご紹介!NMB48の衣装デザインからスタイリングまでを担当する松永麻里さんにたっぷりとこだわりを語ってもらう。

月替わりで登場する案内人は、TikTokで「NMB48衣装図鑑」と称して衣装の細部や着脱方法を紹介しているれいこちゃん(前田令子)、将来は“自分のブランドを持つ”という夢を持ち、メンバーの衣装作りも経験したことがあるかれんたん(原かれん)の2人。一体どんな製作エピソードが飛び出すのか?第2回も引き続き、れいこちゃんが案内人を担当する。


■「ちっひーのセンターを絶対に華やかにしたい」
まずは、松永さんによる衣装紹介!今回話を聞くのは、れいこちゃんの初選抜曲でもあり、ちっひー(川上千尋)がセンターを務める27thシングル『好きだ虫』のMVで着用された衣装。なかでもちっひーが着ているのは、「NAMBATTLE ~愛~」のファン投票で1位になりセンターに選ばれた彼女のために作られた、オンリーワンの1着だ。

「今回、たくさんのファンのみなさんが投票してくださって選ばれたちっひーの初センターだから、『絶対に華やかにしてあげたい』って強く思いました。ちっひーは、NMBに入って10年、同期がなぎちゃん(渋谷凪咲)と2人だけになって。なぎちゃんはテレビで華やかに活躍する一方で、コツコツがんばってきたちっひーがファンのみなさんからセンターに選ばれたことが、すっごくうれしかったんです。14歳からの10年間、本当によくがんばって続けてきた姿をずっと見てきたので…。みるちゃん(白間美瑠)は黄金のイエローゴールド×黒で、みるちゃんらしくなんばの“女王感”満載(笑)で卒業していきましたが、ならばちっひーは上品で優しいシャンパンゴールド×白の“女神”だろうと。本人も煌びやかな衣装が好きということで思いっきり豪華にしたのですが、ハッキリした顔立ちでかわいいので、いくら衣装を盛っても負けないんですよね(笑)。ファンの方にもお礼の気持ちを伝えたいと思って作らせていただいた衣装です」と松永さんは話す。

選抜メンバーがすべてファンの投票によって決定した『好きだ虫』では、ちっひー以外のメンバーの衣装はトップス2型、ボトムス4型が組み合わせられ、順位によってその豪華さは異なる。「ちっひーの衣装はブレード(縁の装飾)が2重になっていたり、とにかく特別仕様です。ベルトの装飾もモチーフやビジューを多めにして、また、普段は見えなくても踊った時だけふわっと見えるような位置にもブレードを装飾して“細かいところまでかわいく!”にこだわって作らせていただきました。上位5位まではラインストーンや装飾を多くしています」

髪飾りには、順位の数字がモチーフとして入れられている。「ちっひーの髪飾りはティアラのほか、本人の『ポニーテールにもしたい』という希望に合わせてリボンも作りました」

ゴージャスなMVの撮影は、熱海にある廃墟で行われたという。「ダンスシーンの映像を撮ったのはダンスホールだったため、床が滑りやすく、急遽滑り止めを靴裏に貼ったりなどいろいろ対策して撮影しました」


『ヴァージニティー』のMV以降、NMBの衣装を担当している松永さん。初めてNMBの全体衣装をデザインしたのは、AKB48のライブだったそう。

「2012年にさいたまスーパーアリーナで開催されたAKBさんのコンサートにNMBが出演し、『青春のラップタイム』を披露した時です。オサレカンパニーの茅野しのぶさんに各地方それぞれのカラーを出すようご指導いただいて、『大阪レインボー』という衣装をデザインさせていただきました。レインボーカラーと豹柄を生地にプリントし、チュールも7色を使用。さらに大阪城や通天閣、グリコ、タイガー、たこ焼きなどをプリントして、“ザ・大阪”をぎっしり詰め込みました。メンバーも衣装を喜んでおもしろがってくれて、自分のネクタイにプリントされたたこ焼きを食べようとしてるポーズで自撮りしたり…(笑)。そんなメンバーの反応を見て、NMBメンバーならではのNMBらしい衣装をこれからも作らせてもらいたいと強く思いました。NMBはフレンドリーで身近に感じるアイドルとして、雑誌の『Zipper』や『KERA』のような、遊び心があるちょっと奇抜な衣装を作ったことが始まりでした」と振り返る。

■細かい装飾に感動!髪飾りには“順位”入り
ここからは、そんな松永さんに、ドルオタ歴15年を誇るれいこちゃんによる質問タイム。『好きだ虫』の衣装のこだわりに迫る!

前田「ちひさんの衣装は、ほかのメンバーの衣装とどんなところが違うんですか?」

松永「ちっひーの衣装は、生地から変えています。1人だけゴールドのジャガード生地で、ほかのメンバーの生地は白地にシャンパンゴールド。ブレード(縁の装飾)が2重で太かったり、ストーンの量が多かったりと、装飾も全然違います。それでもゴテゴテではなく、上品になるように意識しました」

前田「髪飾りに順位が入っていたのがとてもうれしかったです!あの案はどういうふうに生まれたんですか?」

松永「今回はNAMBATTLEで選ばれたメンバーの27thシングルということで、ここまでがんばってきたメンバーのためにも、いつも応援して投票してくださったファンのみなさんのためにも、感謝の気持ちを込めた衣装を精一杯作らせていただきたい!と本気で思いました。れいこちゃんもNAMBATTLEであれだけがんばって、ファンに選ばれての初選抜って本当にすごいことだと思うので、それを少しでも表現できたらなと思いました」

前田「うれしいです。感動しました!わたしの衣装がスカートタイプだったのもうれしかったです。前に、現場で『実はスカートのほうが好き』と言ったのを反映してくれたのかなと思いました」

松永「まさにそう!もともとボトムスは3パターン展開が時間的にギリギリだったんですが、その話を聞いて、急遽初選抜のれいこちゃんに似合うデザインのスカートを追加しました。公演を担当している現場スタッフが、普段からメンバーの体型や好みなどをチェックしてくれているので、そういう情報も参考にして製作しています」

前田「袖が大きいのもお気に入りです。パフスリーブは私服ではあまり着たことがないんですが、この形が好きです。今回の衣装作りで苦戦した点はありますか?」

松永「今回も衣装イメージをいただいてから製作期間がタイトでしたが、『もしちっひーがNAMBATTLEで1位になったらこんな感じ』ってイメージがもともとあって。みるちゃんが女王なら、彼女は女神。そういうイメージは考えていたので、『ゴールドの衣装で』って聞いた時に、派手なギラギラ黄金ゴールドより、彼女のほんわかしたかわいらしさを表現したシャンパンゴールドを基調にしました」

前田「衣装作りの前、松永さんには曲についてどこまで伝えられるんですか?」

松永「基本的には、王道なアイドルソングorダンスナンバー・かっこいい系など、ざっくりとしたイメージと『こんな風景でMVを撮ります』という企画書をいただきます。『好きだ虫』の場合は“ゴールドの世界観”とのことだったので、ゴージャスに。ファンのみなさんが選んでくれたメンバーで作られる楽曲なので、衣装からも少しでも感謝の気持ちを届けられたら…という思いで装飾も多めに、華やかにしました。そして、“NMBはこういう衣装も着こなせるグループなんだ”と新たな魅力を発見してもらえるような、今までにないものにしようと思いました。また、前回も話したのですが、うちには『妄想ガールフレンド』の衣装を作る時に運命的に出合った白ネコがいて。その子が亡くなった頃、第1回で『妄想ガールフレンド』、第2回は『好きだ虫』の衣装を紹介してほしい、とこの連載のお話をいただきすごく驚きました。ちょうどその子が旅立つ数日前に『好きだ虫』の衣装製作をしたので、縁をつないでくれたのかなと思います。うちのネコも白くてゴールドの目だったので、まるで『好きだ虫』の衣装のようで…。MV撮影の時は、感極まって泣かないように必死でした」

前田「そうだったんですね…。今回の衣装、本当に装飾が全部細かくて、ファンのみなさんにも『すごい!』って言っていただいています。ノースリーブやパンツスタイルなど、衣装の振り分けはどういうふうに決めているんですか?」

松永「メンバーのキャラクターもあるんですが、骨格も生かして似合うものを選んでいます。ただ、全体のバランスも考えないといけないので、スタイルがよくてなんでも着こなせるれいこちゃんは助ります(笑)」

前田「『好きだ虫』の衣装を着ていると、みんなさらにスタイルがよく見えるんですよね」

松永「やっぱりアイドルは脚が見えているのがいいかなぁ、と思っています。今はアイドル界でも長いスカートの衣装が増えていて、それもそれですごくかわいくて素敵ですが、NMBメンバーは体のラインがとっても綺麗だったり、脚が魅力的だったりする子が多いので、脚は見せてほしいなぁって思っちゃいますね(笑)」

前田「NMBの衣装はミニスカートが多くてかわいいですよね。ファン時代から好きです!」

松永「わたしは松田聖子さんや中森明菜さん、小泉今日子さんに中山美穂さん、森高千里さんなどの80年代アイドル全盛期を見てきたので、やっぱりアイドルといえば短いスカートがかわいいなと思って(笑)。NMBのメンバーがみんな、それを着こなせるようにスタイルをキープしてくれているので本当にありがたいです」

前田「お互いプロ意識ですね!」

松永「メンバーがいて、監督、振り付けの先生、メイクさんやカメラマンさんなど、みんなでMVを作って1つの作品ができあがった時は、どんなに徹夜が続いてても一瞬で忘れるくらいの感動で…。10年間やめられません(笑)」

前田「メンバーの好みを知り尽くしてくれているので、みんなで衣装を着た時に『うわーっ!』と毎回盛り上がるんです。その反応を微笑ましい笑顔で見てくれていますよね」

松永「それも気づいてくれてるんだー(笑)。衣装の細かいこだわりが、ちゃんとメンバーに伝わってうれしいです」

前田「衣装図鑑をTikTokで始めてから、『こうなってるんや』って細部を毎回見るようになって。こういう着脱の工夫とかがされている衣装を先輩たちもずっと着ていたんだなって、改めて思うようになりました」

松永「最初からそうだったわけじゃなくて、やっぱり早着替えに間に合わないからこうしようとか、わたしたちも学びながら改良していっているので、着脱の工夫にも気づいてくれてうれしい!」

前田「年数を重ねるとそれが普通だと思っちゃうけど、上の服がファスナーになっているのとか、当たり前みたいに着ていても普通じゃないんですよね。そういうのを再確認しています。ありがたいです」

松永「こういうことを聞くと、なんとしてもがんばろうと思えます。涙出そう(笑)。こんなふうに改めて直接言ってもらえることってなかなかないから、こんな機会をいただけて本当に感謝です!」

前田「初選抜が『好きだ虫』のこの衣装でほんまによかったって、ファンの方にずっと言っているんです。そのぐらいこの衣装が大切で大好きです」

■クールに思われがちだけど…れいこちゃんが着たい衣装は?
ここからは、れいこちゃんと松永さんにさらにインタビュー。

――初めて選抜衣装を着た時は、やっぱり特別な気分でしたか?

前田「はい!まずは、自分の名前が書いてあるのがうれしかったです。わたしのサイズと形で作られた衣装で、14着しかないというのがすごく特別感があります」

――れいこちゃんは、これからどんな衣装を着てみたいですか?

前田「制服風を着たいです。『絶滅黒髪少女』とか、わたしがファンとして見ていた時代のNMBの衣装やAKBさんがよく着ている定番の赤チェックとか、そういうのをまた着てみたいですね」

――松永さんから前田さんに、「こういうのを着てほしい」というイメージはありますか?

松永「アイドルらしいのはだいぶ着たし、動物とか着ぐるみ系、おもしろい感じの衣装は意外性があってよさそう!スタイルがいいからそういうのでも映えそうですね」

前田「かわいいの好きなので、やりたいです!見た目や言動で『かっこいい』と言われることが多いんですが、“王道アイドル”みたいなのが大好きなんです」

松永「メイドさんみたいな帽子とかも似合うかも!」

前田「私服でもヘッドドレスは持っています。ゴスロリも好き!『なんばらえてぃー』公演では、ゆきりん(柏木由紀)さんの『ハートの独占権』の衣装を着られてうれしかったです」

松永「そういう系はあまり好きではないかと、かっこいい感じがいいのかと思ってた(笑)。この連載は発見が多くてありがたいです」

――れいこちゃんはプロフィールに「絵・デザインを描くことが特技」とありますが、衣装もデザインしたことがあるんですか?

前田「高校でマーケティングデザイン科だったので、自分がどういうお店を経営したいかを考える課題がありました。わたしは制服がめっちゃ好きなので制服ブランドのお店を考えて、制服もたくさんデザインしていました。乃木坂46さんが着ているような、スカートが長めで紐リボンを結ぶワンピース型の制服とか、ギャルも好きなのでミニスカートにルーズソックスを合わせたり。本当に制服が大好きなので、見て着られる今が天職なんです」

――松永さんが衣装作りの時に参考にしているものはありますか?

松永「ジャンル問わずにいろんなことにアンテナを張って、時事ネタもチェックするようにしています。また、おもしろいと思った物事はいろんな角度から掘り下げてみたりします。あと、人生において“温故知新”は大切にしています」

――衣装には流行も取り入れるのですか?

松永「例えば、パフ袖だと昔は小さめのパフが流行っていたけど、今はふんわりした長めのものなどビッグシルエットが人気ですよね。ドロップショルダーだったり。そういう変化は敏感に取り入れています。全体衣装も昔とはデザイン性が全然違うんですが、『妄想ガールフレンド』の衣装は発表から10年以上経った今でもメンバーから『着たい』と言ってもらえて、時代に関係なく『着たい!』って言ってもらえる衣装をこれからも作っていけたらと思っています」

――素朴な疑問なんですが、選抜衣装って本当に人数分しか作らないんですか?

松永「そうです。だからこそ、S、M、Lなどざっくりしたサイズではなく、30カ所ぐらい採寸をして、そのメンバーのサイズで作ります」

――“NMBらしさ”はどんなふうに意識していますか?

松永「NMBはみんな強くて、でも優しくて、本当に誰よりもおもしろい子たち。1期生の公演にずっと立ち会っていたんですが、裏でメンバー同士で話していることが『カメラを回したほうがいいんじゃないか』と思うくらい毎回おもしろくて。着替え中だから映せないんですけどね(笑)。かわいいのにとことんおもしろい!そんな唯一無二の彼女たちを衣装に反映させていきたい!という思いは当初から大切にしています。NMBだからこそ着こなせる衣装、NMBらしさは最初からずっと意識しています。“実は豹柄が入っているんですよ”っていう衣装もたくさんあるので、これから紹介していきたいですね」

クールなイメージを覆す、衣装とNMBへの強い愛を見せてくれたれいこちゃん。同じく衣装とNMBに強い思い入れを持つ松永さんとの対談は大盛り上がりだった。次回は、案内人にかれんたんが登場。かれんたんもお披露目したことがある、懐かしい衣装を紹介する。お楽しみに!

取材・文=上田芽依
撮影=福羅広幸

【松永麻里 プロフィール】
東京生まれ。1995年に大妻女子大学短期大学部家政学科卒業。
奇抜な衣装とメイクでパフォーマンスユニットとして活動後、2010年12月よりNMB48の衣装を担当。現在は吉田朱里など、卒業したメンバーのスタイリングも行っている。

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