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「菜の花畑のマッチョ」など用途不明のフリー素材で大人気!「マッスルプラス」の謎に迫る

  • 2021年6月2日
  • Walkerplus

バキバキに鍛え抜かれた美しすぎる筋肉を、菜の花畑や美容室など筋肉とかけ離れたシチュエーションで惜しみなく披露しているフリー素材「マッスルプラス」。2020年9月にSNSで紹介された途端、15万以上の「いいね!」を集めて大きな話題に。その後もユニークな写真を提供し続け、最近では月2回のペースで新作をアップしている。

フリー素材なのに収益はあるの?モデルの皆さんは本業なの?素材の利用法は?そんな数々の疑問を晴らすべく、破竹の勢いを見せる「マッスルプラス」を運営する「株式会社スマイルアカデミー」の取締役・AKIHITOさんを直撃した。

■フリー素材を次々と提供する理由とは?
――「フリー素材」ということですが、ずばり収益はあるのでしょうか? 
「『マッスルプラス』としての収益はありません(笑)。でも、多くのメディアに取り上げていただくことにより、『マッスルプラス』のモデルが在籍している『筋肉紳士集団ALLOUT』や、福岡でパーソナルトレーニングジムを展開している運営元『株式会社スマイルアカデミー』のPRに繋がっています」

――いつからフリー素材を提供しているのですか? 
「自分たちの企画書に添えるために撮影した写真を、2018年に提供したのが始まりです。見た人が思わず笑ってしまうような写真にしたくて、『こんなの使えないよ!』という写真を厳選しました。昨年夏にバズったあと、気合を入れてどんどん撮影しています。コロナ禍で気持ちが沈みがちな時期ですし、私たちの写真を見て明るい気分になっていただけるとうれしいです」

■マッチョに不似合いなシチュエーションが満載!
――意外なシチュエーションが多いですが「カテゴリー」の決め方は?
「通常マッチョがいないような場所や季節感を意識しています。そのため、マッチョがもっとも似合う『ジムのマッチョ』の撮影が一番難しかったです。ジムというある意味“当たり前”な場所で、どうすれば笑える写真になるのか…ものすごく考えながら撮影をしました」

「カテゴリーが決まったら、私とカメラマンで50~60ほどのアイデアを出してから撮影に臨んでいます。あとは現場のノリで。撮影を進める中でアイデアが湧いてきて、想定外の写真が撮れることもあります。5月にバズった『菜の花畑でマッチョをつかまえて』は、当初の予定とは異なる背中を大きく見せたアングルがアタリました。また、タイトルによって写真の印象が変わるので、ひとひねり加えるようにしています」

AKIHITOさんが話す通り「授業中にこっそりプロテインを渡すマッチョ」「首筋を手刀で『トンッ』ってするマッチョ」「大胸筋を検温されるマッチョ」など、タイトルもつっこみどころ満載なユニークなものばかり。写真と併せてチェックしてみて。

■マッチョ撮影の苦労話あれこれ
――撮影時間は一つのカテゴリーでどれくらいかかるのですか?
「短いもので2時間、長いもので8時間ほどかかります。『海のマッチョ』は午前中から日没まで撮影が続きました。撮影の間は筋肉をギュッと収縮させるため、撮影後はボディビルの大会に出たような疲労を感じることもあります。

特に大変なのは冬場の屋外撮影です。『紅葉とマッチョ』は12月に森の中で撮影したのですが、メンバーの1人は川に入るシーンもあり、とにかくずっと寒かった。体を温めるために撮影の空き時間にはずっとパンプアップしていました(笑)。無敵に思われがちなマッチョですが、体脂肪率が低いので寒さに弱いんですよ」

真夏に撮影した「海のマッチョ」の時は、炎天下で50回以上スイカを割るポーズを撮影してヘロヘロになったそう。「マッチョも人間なので、熱さも寒さも感じます」と笑う様子に、どこか親しみを覚えた。

■クセの強いマッチョ写真、誰がどう使うの?
――フリー素材は、どんな人が利用されているのですか?
「イラストレーターさんや作家さんが、絵を描く時の見本にされることが多いようです。『マッスルプラス』の素材の使い方には正解がなく、私も利用目的が想像できません(笑)。将来的には素材を使ってもらえると、子供たちにプロテインが送られるような仕組みを作りたいと思っています。みなさんが楽しみつつ、社会貢献に繋がっていくような形が理想ですね」

ユーザーの半数近くはアメリカやフランス、スペインなど海外の方なのだそう。「筋肉は世界を救う。まさに『マッスル メイク スマイル』です」とAKIHITOさん。確かに「マッスルプラス」の写真を見ている時は、クスッと笑えて嫌なことも忘れられる。この感覚は恐らく言語が異なる国にも通じるもので、「筋肉は世界を救う」と言うのももっともだと思えた。

■マッチョモデルは総勢500人以上!
――どのような方がモデルをされているのですか?
「私を含め、『株式会社スマイルアカデミー』が運営する『筋肉紳士集団ALLOUT』のメンバーです。『筋肉紳士集団ALLOUT』には全国で500人を超えるマッチョが在籍していますが、ほとんどの方は別の仕事をされています。トレーナーのほか、医師や会社員などマッチョとは無縁の仕事をされている方も数多くいらっしゃいます」

2014年、ボディビルの大会に参加したAKIHITOさんは「世の中にはこんなに多くのマッチョがいるのか!」「時間とコストをかけて作り上げたマッチョが活躍できる場所が少なすぎる!」と感じたそう。その体験が「筋肉紳士集団ALLOUT」設立に繋がったと話す。

■「筋肉触り放題&熱狂し放題!」のイベントも実施
――「筋肉紳士集団ALLOUT」について詳しく教えてください。
「マッチョイベントの企画やマッチョのキャスティングを請け負っています。コロナ禍前は東京、大阪、名古屋、福岡などで開催していた『筋肉紳士集団ALLOUT』主催のイベント『筋肉の狂宴 マッスルカフェ』の評判がよく、1公演に300人以上の来場者が訪れたことも。筋肉紳士コンテストや来場者参加型のゲームのほか、“推しマッチョ”と触れ合えるフリータイムもあり、皆さん日常を離れて存分に楽しんでくださっていました」

コロナの影響を受け、2021年5月現在は10月まで予定していた全公演が中止に。女性限定のイベントのため異性の目を気にせずに思いっきり楽しめるそうで、復活が待ち遠しい限りだ。

また、ドラマやCM、バラエティ番組、映画のエキストラのほか、各種スポーツメーカーや商品広告、雑誌などにもマッチョなメンバーをキャスティングしているそう。最近テレビで見たムキムキのイケメンは「筋肉紳士集団ALLOUT」のメンバーかも!?

■写真、音声に加え、動画のフリー素材も提供予定
――今後の活動予定について教えてください。
「『マッスルプラス』の写真は10カテゴリーほどのストックがあり、随時アップする予定です。5月9日には初となる『マッチョ音声のフリー素材』の提供を開始しました。ボディビルの掛け声や筋肉の名前を読み上げた1秒ほどの短い音声が70種類あり、YouTuberの方などから『待っていました!』『使える!』とうれしいコメントをたくさんいただいています。第2弾も予定しているので楽しみにお待ちください。さらに、筋肉が動く様子を撮ったスローの動画も提供する予定です。用途はまったく想像できませんが、アイデアを絞ってぜひご利用ください」

もちろん、コロナが落ち着いたら「筋肉の狂宴 マッスルカフェ」も復活予定。2019年の夏に人気を博したオリジナルの「筋肉盆踊り」も復活させたいと意欲を見せる。

■マッチョの嘆きを歌詞に込めた替え歌も要チェック
大胸筋がつきにくく細マッチョであることを嘆き、理想を追い求めて毎日ジムでトレーニングを重ねるAKIHITOさん。いつでも体を披露できるよう、食事の管理も徹底しているそう。「どれだけ筋トレを重ねても、理想の体にたどり着けません。鍛える限りはもっともっと大きくなりたいと思ってしまうのでゴールがないんです」。

そんなマッチョ特有の嘆きや“トレーニングあるある”を、聞き覚えのあるメロディに乗せた替え歌「ちっせぇわ」もYouTubeなどで配信中。ひねりのある歌詞に加え、「マッスルプラス」のフリー素材を使ったカオスなMVやダンディな歌声も楽しめるので、ぜひ視聴してみて。

■マッチョをきっかけに生活習慣を整え、健康長寿な社会へ
クスッと笑えて、明るい気持ちになれて、なんだか軽~い雰囲気の「マッスルプラス」だが、「筋肉紳士集団ALLOUT」のミッションは「フィットネスの浸透により、トレーニー(体を鍛える人)や健康な人を増やし、世界の医療費削減に貢献すること」と、大真面目。

「日本は欧米諸国などに比べてフィットネス人口が少ないのです。このままだと不健康な人が増えて医療費が高騰するかもしれません。これを防ぐためにも生活習慣を整えることは重要で、フィットネスが必要だと考えています。マッチョを目にして身近に感じることで『トレーニングしようかな』『食事に気を遣おうかな』と、フィットネスに興味を持ち足を踏み出してもらえたらうれしいです」

写真に加えて音声も提供し、快進撃を続ける「マッスルプラス」。これからの活躍も目が離せない。

取材・文=吉田英子

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