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【漫画】「そこ好きだけど?」夫婦のほっこりエピソードが心に染みる

  • 2021年5月18日
  • Walkerplus

アゴが出ていることが長年のコンプレックスで、アゴが引っ込まないかと思春期にはお風呂の縁にアゴを打ち付けてみたこともあるという枇杷かな子さん。高校生になって彼氏ができたあとも、アゴが気になって手でアゴを隠していたのだとか。ところが、彼氏はそんな枇杷さんのアゴを見て「俺…そこ好きだけど?」。

そしてそんな彼氏とのお付き合いは2021年で16年目。現在は“夫”となった“彼氏”とのエピソードを、SNSで漫画にして公開。お互いを思いやる気持ちにあふれたエピソードは、「癒やされる」「素敵な関係!」と評判だ。そんな枇杷さんにエッセイ漫画を描き始めたきっかけなどを聞いた。

■助けられた記憶を描いて残したい
さきほど紹介した、長年のコンプレックスであるアゴを好きだと言ってもらえた「アゴと私と彼」はTwitterで5万以上の“いいね!”を獲得。これを機に夫とのエピソードを定期的に描くようになったのだそう。

「私は失敗や後悔が多くて、その分助けられたことが印象深く残っているんです。そういった記憶を描いて残していけたらと思い、エッセイ漫画を描き始めました」

過去の思い出だけではなく、現在の家族生活のなかで起きたちょっとした出来事や、習慣について描いた作品もある。例えば、「夫と果物と朝ごはん」では、果物を積極的に食べない夫のために枇杷さんが果物を用意し、朝食をとろうとしない枇杷さんのために夫が小さな玉子焼きを作るというエピソードを漫画化。夫婦それぞれがさりげなくお互いの体を気遣っていることがうかがえる内容だ。

「エピソードは日々転がっているので、感激したことがあったらメモをするようにしています。『あ、うれしいからこれを描こう』と頭の中で保存することもあります。そして、描く時になったら紙や頭の中に残しておいたものを漫画に落とし込みます。夫が“彼氏”だった頃などの過去のエピソードは、ふと思い出した時にすぐにメモをして描くようにしています」

喋るキッチン用品のお玉杓子と1人暮らしの女性との交流を描いた「喋るおたま」シリーズなど、フィクション作品も手がける枇杷さんだが、エッセイ漫画では情報の取捨選択に気を付けているそう。

「エッセイはそのままのことを描くと情報が多すぎるので、読者の方が読みやすいように色々間の話を削ったりするのですが、そうすると伝えたい部分まで削ってしまいそうになるのでその判断が難しいですね。ですが、日々小さな感動やうれしさなど、自分でも思いがけないところで発見できるので、絵日記をつけているような楽しさがあります」

■心の台風をなだめつつ、心を開いて話すことを大事に
枇杷さんのエッセイ漫画からは夫婦関係の良さが伝わってくるが、夫婦円満の秘訣を聞いてみると「こんなコツがあります!と断言できることはないのですが…色々我慢して爆発しないように不満があったらなるべく言うようにしています。ただ、その時のネガティブな感情の勢いで話さず、気持ちを落ち着かせることを大事にしています。ネガティブな感情をただぶつけたいんじゃなくって、改善してほしいと思うからですね」とのこと。

それがよくわかるのが「台風とラーメンと彼」での話。枇杷さんは時折自分の感情をコントロールできないことがあり、それはまるで感情の“台風”のようだったそう。彼にもその“台風”をぶつけてしまうことがあったが、我慢したりぶつかるように泣いたりするのではなく、“話し合いたい”と落ち着いて話をするように。

「私の“台風”をぶつけてしまった時、初めは動揺したと思います。落ち着いて伝えようと思ってもすぐにはできなかったのですが、私のしどろもどろの話を聞いてくれたり、私の伝えたい言葉をパズルのようにまとめてから話し合ってくれたりしました」

感情コントロールに苦しむことは多かれ少なかれ、誰にでも起こりうること。そんな時にどうやって気持ちを落ち着かせるか、そういう相手とどう向き合うかが良い関係性の鍵となるのだろう。

■感想をもらえることが創作の大きな励み
現在、毎週水曜日にエッセイ漫画を更新しているが、夫との身長差について描いた「私は彼より少し大きい」、夫の家族と旅行した時に感じた“家族”の形の差を描いた「家族旅行と彼んち」も反響が大きかったネタだという。

「反応をいただけることが描く原動力になっています。癒やされたという感想や、毎週読むのが楽しみといったコメントをいだけるとうれしくて、毎回泣きそうになります」と読者の反応が一番のモチベーションだと語る枇杷さん。

6月10日(木)には、初の書籍となる「アゴが出ている私が彼氏に救われるまで」を発売予定。「アゴと彼と私」を筆頭に、枇杷さんが夫と過ごしていくうちに見た目や性格のコンプレックスが解消されていくエピソード満載の一冊だ。読む人の心もほどける夫婦エッセイ漫画には、大切な人との過ごし方のヒントが隠されている。

取材・文=西連寺くらら

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