猛暑に対応! 「秋冬野菜タネまき超成功術」

  • 2024年7月29日
  • NUKUMORE

本誌の昨年末の読者アンケートで多かったお悩みは、秋冬野菜のタネまきが思うようにいかなかった件です。「ダイコン、ハクサイは4回もタネをまき直してようやく成功」というお便りも。今年の8~9月も猛烈な暑さが予想されるので、タネ撒きの秘訣は必見です!

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解決の手立て

秋冬野菜のタネまき時期にも高温が続き、根菜類のタネまき、それから結球野菜の苗づくりが難しくなってきています。
これまでなら黒マルチを張ってタネをまけば、どの野菜も育てられたものですが、最近はそうした“常識”が通用しなくなっているようです。

解決の手立てとしては、
①タネまき時期の見直し
②耐暑性のある品種を選ぶ
③地温を下げる白黒マルチの利用
④暑さをやわらげる被覆資材の活用

そして、今まで以上に草マルチや敷きワラ、リビングマルチなど有機物マルチの効能が見直されるでしょう。

どうするタネまき!?

*ダイコン

●発芽適温:15~30度
●生育適温:17~20度 ダイコンは40度の高温でも発芽します。ですが、生育適温はずっと低めです。暑い時期に発芽した株は生育適温をはずれているため、健全に育てるのは難しくなります。

●寒冷紗で遮光して、涼しい環境で初期生育を促す。
●タネまき時期を遅らせ、後半に気温が下がってきたら不織布を掛けて温め、生育を促す。
●タネをまいたらしっかり鎮圧して土の乾燥を抑える。
●ダイコンをねらう害虫は多い。

*キャベツ

●発芽適温:15~30度
●生育適温:15~20度
●結球適温:13~20度

キャベツは30度でも発芽しますが、生育適温は低めなので、暑い時期のスタートは難しくなります。
年3回、春まき、初夏まき、秋まきができます。多年草で結球適温に幅があります。涼しくなってからタネをまいて、年が明けてから収穫するつくり方もおすすめです。
●タネまきからは、ハクサイ同様に白寒冷紗での遮光が有効。

*カブ

●発芽適温:20~25度
●生育適温:15~25度

カブは簡単に発芽し、気温が高くてもよく育ちます。生育期間が2か月ほどと短いので、何度もずらしまきをして収穫したい野菜です。
ただ、気温が高いうちは虫の勢いが止まらないので葉がボロボロになります。食害を防ぐには、防虫ネットが欠かせません。
●ダイコンやニンジンは光を十分に浴びて太るが、カブは光をそれほど多く欲しがらない半陰性の野菜。収穫まで寒冷紗で遮光しても大丈夫。
●防虫ネットと寒冷紗の組み合わせを利用する。

*ハクサイ

●発芽適温:20~25度
●生育適温:20度前後
●結球適温:15~16度

生育適温と結球適温の範囲が狭いため、タイミングを合わせられないと結球させるのが難しくなります。
結球するのは15度前後で、それよりも寒くても暑くても結球しません。タネまきが遅らせないことがポイントです。
●寒冷紗で遮光して涼しい環境で育苗し、定植後も寒冷紗でしばらく遮光して育てる。
●タネまき時期に高温が続く場合は、早生、極早生品種がおすすめ。生育期間が短いので、タネまきを遅らせても結球が可能。

*ニンジン

●発芽適温:15~25度
●生育適温:18~21度

ニンジンは発芽するまでは水を切らさないことが絶対条件です。
好光性種子なので覆土は薄めにするため土が乾きやすく、発芽をそろえるのはいっそう難しくなります。
●タネをまいたらしっかり鎮圧して土の乾燥を抑える。
●もみ殻やバーミキュライトで保湿を図り、発芽を促す。
●雨が降らなければ水やりが必要。

*レタス

●発芽適温:15~20度
●生育適温:15~20度
●結球適温:20度前後

夏の時期にタネまきをする場合は、低温処理が必要です。
高温、過湿が苦手です。育苗中の遮光はキャベツ、ブロッコリー、ハクサイは白寒冷紗が適当ですが、レタスは黒寒冷紗で涼しい環境をつくるといいでしょう。
●高温が苦手なので、マルチを使う場合は白黒マルチがおすすめ。

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