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永久保存版! 数字で理解する「白米の炊き方」で失敗しない鍋炊きごはん

  • 2023年5月8日
  • レタスクラブニュース


テレビや雑誌を中心に活躍する料理家のきじまりゅうたさんが、料理の基礎やコツをご紹介!
調理がラクになるちょっとしたコツや、料理が飛躍的に上手くなるノウハウ、誰も教えてくれないマル秘テク、目からウロコの簡単レシピなど「料理はおもしろい」ことを伝えたいと語るきじまさんのyoutubeチャンネル「きじまごはん」から、編集部厳選の記事をお届けします。
きじまさんの明るいキャラクターとともに、一緒に料理を楽しんでいきましょう!





今回はお米の鍋炊きの方法を紹介します。
「仕組み」を理解すると、はじめてでもおいしくお米を炊くことができますよ。

鍋で炊くご飯はおいしいだけでなく、災害時にもキャンプにも使えて便利です。
米と水の重量比で理解すれば水加減も失敗しません。

数字で理解する“はじめての鍋炊き炊飯” 〜計量〜



今回の炊き方のポイントは、米と水の重量比です。



お米500gを用意します。
1合150gと言われているので、3合ちょっとですね。
だいたい炊き上がりで、お茶碗6〜8杯くらいになります。



今回はお米の吸水率について説明したいので、合ではなくgで用意しました。

数字で理解する“はじめての鍋炊き炊飯” 〜研ぎ方〜



お米を研ぎます。



まず最初に、たっぷりの水を注ぎます。
僕は計量カップから注いでいますが、蛇口から直接注いでもかまいません。





たっぷりの水を注いだら、ザッとかき混ぜ、水を捨てます。
1回目に洗う水は一番匂いが強いので、洗ったらすぐに水を捨ててください。



続いて2回目です。
少量の水を注ぎます。
少量というのは、ボウルの底に少し水が残るくらいです。



研ぎます。
お米の表面についた糠(ぬか)を取っていく作業を「研ぐ」と言います。
お米同士が優しく触れ合っている感じをイメージして研いでいきます。



研ぐと水が白く濁ってきます。



水が濁ってきたら水を足してすすぎます。



全体をざっと混ぜて、研ぎ汁を捨てます。



少量の水を入れ、優しく研ぎ、白く濁ってきたら水を足して、ざっと混ぜて、とぎ汁を捨てる…この作業を繰り返します。



少量の水で研ぐ理由は、お米同士がよく擦れるようにしたいためです。



力を入れすぎるとお米が割れるので、優しく優しく研いでください。





研ぎ終わったら水を多めに入れて、ざっと混ぜて、研ぎ汁を捨てます。
何度か研いで、水の濁りが少なくなったら、研ぎ終わりです。



これでお米が研げました!

数字で理解する“はじめての鍋炊き炊飯” 〜浸水〜



お米を炊くときに大切なのは、研いだお米に水を吸わせること!
これをしないと炊き上がったお米に芯が残ったり、炊きムラができたりする原因になるので、とにかくお米を水に浸して吸水させます。
水の量は適当で大丈夫です。



研いだお米に水を吸わせて30分から1時間くらい吸水させます。

ーーー30分後ーーー



30分水を吸ったお米です。



30分浸水したお米と浸水させたばかりのお米を見比べると、違いが分かります。



30分浸水させるとお米が真っ白になります。
真っ白になるということは、芯までしっかり水を吸っているという証です。

夏場だと浸水に15〜30分、冬場だと30〜1時間かかります。

数字で理解する“はじめての鍋炊き炊飯” 〜米と水の重量比〜



お米が真っ白になるまで吸水したということは、お米の重量の20〜30%の水を吸っていると言われています。
もともと500gだったお米が、水を吸って何gになっているか量ってみます。



630gあります。
500gから26%の水を吸っているということですね。
しっかり吸水できています!



お米を炊くときは、研ぐ前のお米の1.2〜1.3倍の水を加えます。
なので、30分浸水したお米の水気をしっかり切って、元のお米と同じ重量の水を加えて炊けば大丈夫ということです。

数字で理解する“はじめての鍋炊き炊飯” 〜鍋の選び方〜



炊飯する鍋にはいろんな種類がありますね。
鋳物の重いお鍋や、文化鍋、土鍋で炊く方もいると思います。
どの鍋でも大丈夫なので、好みの鍋を使ってください。
ただひとつだけ大切なポイントは、“しっかりフィットするフタが付いている”ものを選ぶこと!



今回は一般的な26cmのフタ付きのフライパンを使います!



フライパンで炊くメリットは、底面積が広いため沸騰しやすいこと。



短時間で炊けるので、災害時や火があまり使えないキャンプなどでもおすすめの炊き方です。

数字で理解する“はじめての鍋炊き炊飯” 〜フライパンを使った炊き方〜



炊いていきます。



500gのお米と同量の500mlのお水を入れ、ざっと混ぜる。



フタをして沸騰するまで強めの中火にかけます。





火にかけて4、5分経過しました。
鍋の中がふつふつと湧いてきたので、一度フタを開けます。



フライパン炊きの場合、沸騰したら一度ざっと混ぜ、均一にならします。
底面積の大きいフライパンは、外側と内側の加熱ムラができやすいためです。



均一にならし沸騰したら、もう一度フタをしてごくごく弱火にします。



弱火のまま、だいたい12〜15分炊きます。

ーーー12〜15分後ーーー



12〜15分経過したら、最後に5秒だけ火を強め、止めます。
そのままフタを取らずに10分ほど蒸らします。

ーーー10分後ーーー



フタを取ると…銀シャリが立っています!



混ぜてみるとほどよくパラっとしています!
水加減もバッチリですね!

数字で理解する“はじめての鍋炊き炊飯” 〜試食〜



盛り付けて、試食します!



……やっぱりウマい!!
シャリの粒がすごく立っていますね。
口の中に入れてもほどけます。



水加減の好みは人それぞれあると思うんですが、僕はもうちょっと硬いほうが好きですね。
最後に加える水は500mlではなく450mlに減らしてもよかったかもしれないですね。



今回はちょっとマニアックな内容だったかもしれませんが、一回やってみると意外に簡単だということが分かると思います。
いつもは炊飯器で炊いている方も、ぜひ一度、フライパン炊きをやってみてください!




お米の炊き方や鍋炊き炊飯について気になるポイントを、きじま先生に伺いました。

__お米の研ぎ方から丁寧に説明してくださり、大変参考になりました!研ぎ方についてですが、お米の水を変える回数の目安を教えてください。

きじまさん:目安は3〜4回でしょうか。研ぎ汁の濁りが薄くなるまで研いでください。

__フライパンは底面積が大きいため、沸騰したら一度かき混ぜるとおっしゃっていましたが、文化鍋や鋳物鍋の場合はかき混ぜの行程は不要でしょうか?

きじまさん:フライパンは底面積が大きいため、火が当たる部分と当たらない部分があり、温度にムラができます。そのため一度混ぜて、フライパン内の米の状態を均一にしましょう、というのがフライパン炊きの考え方です。文化鍋などは底面積が小さく、対流も起きるため、かき混ぜる必要はありません。

__今回は500gのお米で炊いていましたが、500gより少量のお米でも、多めのお米でも、水の分量や手順は変えずに炊けますか?

きじまさん:手順は変わりませんが、少量の場合だと水分が蒸発しすぎる可能性があるため、1合なら26cmフライパンより小さい20cmフライパンや鍋で炊くほうが安全です。大量の場合は、フライパンだと吹きこぼれる危険があるため不向きです。26cmのフライパンを使用する場合は、3合までを目安にしてください。

__フライパン炊き以外にも災害時に使えるアイデアや考え方があれば教えてください。

きじまさん:災害時は水も貴重なので、炊飯には無洗米を使うのもいいと思います。そのほかの料理でも、なるべくガスと水の使用を最小限で抑えられる調理法や、乾物や缶詰を使った短時間でできる料理を覚えておくと安心です。また、災害が起こってから急に作ることは難しいと思うので、普段から練習をしておくと安心できると思います。






きじまりゅうた
料理研究家。
祖母と母が料理研究家という家庭に育つ。
オリジナリティあふれるレシピと、わかりやすいトークを武器に、男性のリアルな視点から考えた「若い世代にもムリのない料理」の作り方を提案。現在は「NHKきじまりゅうたの小腹すいてませんか」「NHKきょうの料理」「NHKあさイチ」「CBCキユーピー3分クッキング」などのテレビ番組へのレギュラー出演をはじめ、WEB・雑誌 上でのレシピ紹介や、料理教室やイベント出演などを中心に活動している。著書も多数。youtubeチャンネル『きじまごはん』を配信中。

取材・文=ジョッキー

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