山梨県・八ヶ岳エリアといえば、ワイン。ホテルやレストランでワインをいただくだけでも楽しいですが、せっかく来たなら現地でしか体験できないことを！というわけで、「葡萄畑アペロ」なるツアーに参加してきました。
今回参加したのは、星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳で提供している「葡萄畑アペロ」。葡萄畑を見学した後、ワインテイスティングを行う人気のツアーです。
ちなみに「アペロ」とは、食前酒を意味する「アペリティフ（apéritif）」の略。ディナー前にお酒や軽食を楽しむフランスの習慣のこと。
うかがったのは、ホテルからタクシーで5分ほどの場所にある小牧ヴィンヤードです。
「ヴィンヤード」は醸造施設なしの葡萄畑。ふだんよく耳にする「ワイナリー」は、醸造施設ありのワインを作る場所のことで、違いがあるんですね。
ガイドをしてくれた小牧ヴィンヤードの小牧康伸さんは、ソムリエ歴40年以上。育てているのはメルロー種、ソーヴィニヨン・ブラン種、カベルネ・フラン種、カベルネ・ソーヴィニヨン種、バルベーラ種。上の写真はソーヴィニヨン・ブランの畑です。
こちらはカベルネ・ソーヴィニヨンの畑。
葡萄の種類についてはよく分からなくても、木をよく見ると少しずつ違います。食用の葡萄上から垂れ下がっていますが、ワイン用は低い位置に実が実るのが特徴。
食用と比べると、ワイン用の葡萄は粒が小さいですが、糖度は23〜24度とかなり高いのだそう。葡萄の試食でいただいてみると、なるほど、めっちゃ甘い！この甘さがさらにぎゅっと凝縮しておいしいワインができるんだなぁ。納得です。
小牧さん曰く、「ワインは原料のおいしさがそのままワインのおいしさになる」とのこと。
「葡萄の甘さや個性がワインの味を作る」というわけですが、小牧さんが除草剤や化学肥料を使わずに、ボルドー液（有機農産物に使用可能な殺菌剤）のみで葡萄を栽培しているというのも、おいしいワインのためなのですね。
ツアーでは、ヴィンヤードをぐるっと1周。1時間ほどかけてゆっくり歩き回ります。訪れたのは10月終わり、秋から冬へと季節が移り変わる時期。日が沈むにつれ、空気がひんやりと冷たくなっていくのがなんだかとても心地いい。
畑歩きの後は試飲。葡萄畑を眺めながら、ワインをじっくりいただきます。まずはソーヴィニヨン・ブラン！フルーティでさわやか。ハーブの香りがより強く感じられる気がするのは、葡萄畑で飲むからでしょうか？！
グラス1杯で喉を潤した後は敷地内のカフェに移動。ここでは赤ワインをいただきます。メルロー種です！
ワイン通の方にはおなじみかもしれませんが、初心者にはお初の不思議な光景…！
これはデキャンディングといって、ワインをボトルからデキャンタに入れ替えるもの。ワインを室温になじませ、空気に触れさせることで香りをより引き出すテクニックだそうです。
ワインにたまった渋味のある澱（おり）を取り除く意味もあるとか。
いただくのはワインだけかと思っていたらなんとおつまみも登場！北杜市で唯一の酪農家がつくった、ミルクのみで製造されているチーズたち。フルーツとの相性は抜群です。
チーズもフルーツも季節により内容は変わるそうですが、地産地消がベース。地元ワインと合わないはずがありません。
景色もごちそう。たまりません…。
グラスワイン2杯とプレートを満喫して手ぶらで帰るわけもなく、カフェ入り口にあるワインコーナーを物色。ワイン3種はこちら。
メルロー／カベルネ・フラン（赤）。17ヶ月間樽で熟成された、しっかりとした味わい。6,050円（税込）
ソーヴィニヨン・ブラン（白）。柑橘やハーブを思わせるフレッシュでフルーティな味わい。5,280円（税込）
今回の葡萄畑アペロの試飲では登場しなかった赤ワイン。バルベラとメルローが主体で、ベリー系の香りと樽の香りのバランスが良好とのこと。4,510円（税込）
ショップにはこの3本のワインのほか、葡萄ジュースも販売していました。
アペロは「軽い」お酒&食事のはずなのに、ディナー前にすでにおなかも心もいっぱい。1時間半ほどなのですが、半日ほど回ったかのような充足感が味わえるなんて。
おみやげのワインを家で楽しむ場面が待ちきれないわ～。
住所／山梨県北斗市小淵沢町129-1
TEL／予約050-3134-8093（9:30AM〜6:00PM）
▶https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/risonareyatsugatake/
撮影／瀬津貴裕（biswa.） 取材・文／佐藤望美
