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初の女性地方、松平さん・山下さん腕磨く 4〜5日に南砺で城端曳山祭、伝統継承へ

  • 2024年5月2日
  • 北陸新幹線で行こう! 北陸・信越観光ナビ

城端曳山祭に向け、稽古に励む松平さん(左)と山下さん=南砺市城端の東町庵【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】
 4、5日に南砺市城端地域中心部で開かれる城端曳山(ひきやま)祭で、初めて女性の地方(じかた)が誕生する。東下町の松平(まつひら)麻梨花さん(39)と山下麻菜美さん(30)で、それぞれ三味線と篠笛を担う。巡行300年の歴史を誇る祭りを受け継ぐ若手が減る中、2人は「男性のお祭りという意識しかなかったので緊張するが、一生懸命やりたい」と意気込んでいる。

 祭りでは絢爛(けんらん)豪華な曳山とともに、若連中が料亭や茶屋を模した庵屋台で三味線や篠笛(しのぶえ)を奏で、粋な庵唄を披露する。

 これまで地方は男性に限ってきたが、担い手の減少を受け、6町の若連中でつくる庵連合会が2022年11月から女性の参加を検討してきた。1年半にわたる協議の末、祭りを継承していくため、笛、三味線に限り女性を認めることに6町が同意した。伝統ある祭りの景観を維持するため、当日は女性も紋付きはかまの正装で参加する。

 松平さんと山下さんは昨年2月の寒稽古から練習を始め、5月の祭りは観客として見学。今年も2月から腕を磨いてきた。2人の夫はいずれも唄方で、山下さんは「今までは見る側だったが、家族で参加できてうれしい」。松平さんも「なかなかないチャンス。緊張するが、これまでの祭りと変わりなく終われるよう溶け込みたい」と話す。西上町でも女性1人が三味線で加わる。

 東下町の若連中でつくる「宝槌(ほうてつ)会」会長で、23年の庵連合会長として協議をまとめた松平崇司さん(42)は「先人たちが300年築いてきた祭りの歴史を、自分の代で変えることに怖さと緊張感がある」と明かす。その上で「継承するための選択肢の一つ。祭りが無事終わり、(女性が加わって)『良かった』という空気になればうれしい」と話す。

 同祭は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されている。今年の庵連合会の篠井(ささい)修会長(53)は「ユネスコにも登録された祭りの形を崩さず、何とか次につないでいきたい」と話した。
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