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元AKB48真楪伶(馬嘉伶)が2.5次元の舞台にて本格的な殺陣を披露「こんなに役作りについて悩んだのは初めて」

  • 2024年5月17日
  • Walkerplus

 
AKB48を今年2月に卒業し、2024年7月11日(木)に1st写真集「奇跡と出会った瞬間(とき)」を発売する、真楪伶さん(まちゃりん、馬嘉伶から改名)が出演した、人気PCゲーム“グリザイア“シリーズをもとにした初の舞台「グリザイア:ファントムトリガー THE STAGE」。5月2日から6日まで東京・上野「飛行船シアター」にて全9公演が上演された。

 
国防を担う人材を育てるSORD(ソード)訓練校“美浜学園“で銃や諜報活動を学んだ女子学生たちの学園生活と、彼女たちに課された裏任務が描かれる。真楪伶さんが演じたのは、美浜学園と戦うことになった孤児院“マザーシェルフ”のリーダーでお姉さん的存在であるサヤカ。この舞台のオリジナルキャラクターとなる。黒い金属バットを武器に持ち見事な殺陣を披露、2.5次元の舞台に初挑戦だったという彼女に千秋楽を終えた今、役柄についての想いを改めてを聞いた。

 
■「演じるサヤカがちょっと自分の人生とリンクした部分があったので自分の感情で言ってました」

――稽古前にもインタビューしましたが、稽古期間が1カ月とかなり長かったと聞きました。

お稽古が1カ月間と本当に長くてこれまでこんなに長いお稽古は経験したことがなかったかもしれないです。私がこれまで出演した作品のお稽古は基本的には本番を含め、1カ月間の作品が多かったです。今回はガッツリ1カ月間、ほぼほぼ毎日お稽古しました。出演するみんなも優しかったですし、お稽古は長かったけどとっても楽しかったです。

 
――初めての2.5次元の舞台、出演してみてどうでしたか。

今回は原作がある舞台ですので、原作に関わってる方々がたくさんいらっしゃってて、ゲームを作ってる方とかアニメの方だったり、声優さんだったり、かなり注目されていて、今まで出演した舞台とスタート地点が違うなって思いました。

最初、2.5次元と聞いて原作にあるキャラクターに完全になりきらなければいけないなっていうプレッシャーがありました。でもあとから自分は今回の舞台のオリジナルキャラと知って、そもそも原作に存在してないキャラクターだからと安心したんですけど、実際お稽古が進んで、原作にないキャラクターだからこそ逆に役柄をどう演じていいかわからないという悩みが出てきました。

 
自分が演じるサヤカは結構強い役と聞いてて、ビジュアルも結構かっこいいイメージで、昔つらい経験をしてきたという過去を持っている設定なので、あんまり笑わない方がいいと思ってちょっと暗い声で喋ってました。でも、気づいたら周りの人がみんな笑ったりごちゃごちゃしたりして、笑わない自分が逆に浮いててどうすればいいんだろうなって思って演出家さんに相談してみたんです。

 
演出家さんは、「サヤカは過去にいろいろあって、つらい経験をしてきたけれども、でもそれを隠してる人、その悲しい過去を表に出さない性格だから、笑っていいよ、むしろ笑ってほしい」と言われて、笑ってもいいんだって思い、明るくてかわいい性格を演じました。今まで演じてきた役とは全く違う役柄ですし、こんなに役作りについて悩んだのも初めてでした。
 
――つらい過去を持つサヤカが幼少期にバットで虐待を受けているシーンがありました。そのときの真楪伶さんが演じた顔の表情が痛々しくて、また全身で痛さを表現しているシーンもすばらしかったです。

ありがとうございます。演出家さんからは「もう泣いて、泣いている声を出して」と言われました。虐待されているシーンなので、感情はもちろん体の動かし方も一番難しかったです。しかも実際目の前にお母さんがいるわけじゃないのにいるかのように演じなければなりませんでしたし、設定が子どもだったから子ども目線にするのも苦戦しました。

 
子どもが見てる大人はこのくらいの高さだからこの目線だというのを想像して、相手がいないのに相手がバットを持っていて殴られたときの体の動かし方や角度、手の動きとかを殺陣の先生に何度も何度も教えていただきました。自分が映っている動画を何度も見て研究して、こういう動きをした方がもっとわかりやすいかなって勉強しながらやりました。

――こんな裏話が聞けるのは最高ですね。子どもが大人を見る目線を意識していたんですね。そんなバッドで幼少期に虐待されたサヤカが春人との戦いのシーンで「このバットだけは手放せない」と言って武器として黒い金属バットを持っているというのには驚きました。

そうなんです。私だったら、バットで殴られたら一生バットを持ちたくないと思うんですけど、まさかサヤカが選んだ武器がバットというのがすごいと思いました。

――バットを持っての殺陣は圧巻でした。バットでの殺陣も初めて観ました。

殺陣については、いままでそんなにやってこなかったんです。ちょっとならやったことがあるんですけど。でも今思えばこれまでやってきた殺陣はもう全然比にならないくらい、今回はすごいボリュームがあって難しかったです。ダンスの振り付けとも違いますし、体の動きとか、動画を見ても、実際やってみないとわからないことが多すぎて、ちょっと大変でした。

この作品の中で、銃と剣とか、あとタブレットを持っている人は何人かいるんですけど、金属バットを持っているのは私ひとりだけでした。殺陣も武器を持ってのダンスの振り付けも私だけがみんなと違っていて。武器毎に振り付けが違うんですけど、剣の人が先にやって、次に銃の人がやって、タブレットの人もやって、最後はバットで振り入れも私ひとりだけでした(笑)。

 
最初の殺陣の稽古には出られなかったんですけど、武器の持ち方について、殺陣の先生からみんなそれぞれ教えてもらったそうで、でもバットについては特にないですって言われたらしく。私は野球をやったことがなかったので、バットをどう持ったらいいかもわかならくて打つときの握り方もできなかったんです。

自分でも何ができないのかわからなくて、角度が違うと言われて、共演者の方で野球をやってた方がいらっしゃったので、休憩時間に握り方や振り方を教えていただいたんです。バッドはすごい難しかったんですけど、何とか乗り越えました。

――そんなサヤカに真楪伶さんが感情移入する部分はありましたか。

守りたい人がいるサヤカが春人と戦うシーンで、サヤカはつらい過去を持っているけど、春人はそれを理解してない、経験したことない春人に対して、「幸せな人生だったんでしょうね」という言葉は、やっぱりいろんなことを経験したことのない人にはわからないことがいっぱいあるなって思いました。そしてちょっと自分の人生とリンクした部分があったので自分の感情で言ってました。

――屋台でタコスを売りながら客席を歩く演出もありましたね。

はい。戦う前のシーンでしたのでニコニコしながら演じてました。客席が近いので知っている顔を見つけたときはちょっと気まずかったです(笑)。

――衣装の話になりますが、すごく高いヒールを履いてましたね。

ビジュアル撮影のときとブーツが違っていて、高いヒールのロングブーツに変わったんです。本番直前に届いて履いてみたらめっちゃ似合ってたんでこのブーツにしました。でもかなり走り回りますし、高いところから階段を下りたりもするので不安で、もうめちゃめちゃ怖かったです。AKB48時代も高いヒールを履いていつも踊っていたので、AKB48の8年間の経験がいかされて、足がパンパンでちょっと厳しかったんですけど頑張りました。

元々もうひとつブーツがあってサイズも大き目でめちゃめちゃよかったんですけど、ヒールがなかったんです。演じる役が孤児院のリーダーだから、お姉ちゃんに見えるように背も高くしたかったので高いヒールのある方を選びました。妹の(道枝)咲ちゃんが163センチあるので私は負けちゃいけないっていうのもありました。ヒールを履くと姿勢がよくなるんです。

――真楪伶さんのプロ意識ですね。そんな思いがあってあんな高さのあるヒールがあるロングブーツを選んだんですね。あのブーツで舞台裏にはけるときの低い姿勢になって走り去っていく姿がめちゃめちゃかっこよかったです。

低い姿勢は私のこだわりです。低くした方が綺麗に見えるかなと思って。バットを持ってダンスをしたあと、はけるシーンもかっこつけたかったんですよ(笑)。かっこつけたくて、一瞬ステージを見てはけるっていうのが私のこだわりでした。

――黒髪も新鮮でした。

黒髪は大絶賛されました。共演者の方にも絶対黒髪の方がいいよって言われたんですけど、舞台が終わって2日後に普通に茶髪に染めました(笑)。

――稽古前にも聞きましたが、今回は演じてみて役柄が憑依しましたか。

役作りは今まで一番悩みましたが、今回は役が自分に移ると感じたことは全くなかったです。ステージ上ではサヤカですけど、ステージを降りたらもう普通の自分に戻った感じでした。

■「殺陣で深く考えられるようになったことはよかったと思います」

――AKB48を卒業してから久しぶりのステージでしたが、ダンスと歌はいかがでしたか。

AKB48を卒業してこんなにすぐにマイクを持つとは思ってなかったです。ライブがあって歌って踊ることを知らなくて、お稽古が始まってから知ったんです。AKB48を卒業するときに、もうマイクを持つことはないかもしれないとは思っていなかったですが、舞台でライブは基本的にはないので、今回マイクを持って歌って踊ってライブをしながら次はいつマイクを持つのかなと思うと感慨深かったです。

――真楪伶さんの卒業公演以来の歌って踊る姿を久しぶりに見て、キラキラしていると思いました。またぜひライブのステージを見せてください。話は変わりますが、ストーリーに稽古中から本番まで「連日朝スタバ」とアップされてましたが、毎朝スタバで気合を入れてたんですか。

はい。「連日朝スタバ」でした!お稽古場が結構遠くて、家から1時間半ぐらいかかっちゃうんですよ。乗り換えも2回必要ですごい大変で、自分に優しくしたいなって思いましたし、自分へのご褒美で「今日も頑張るぞ!」という意味で、毎朝ちょっと早めに家を出て、お稽古場に行く前にスタバで好きな飲み物を頼んで、持って行って飲むのが私のルーティンでした。

しかもいちばん大きいサイズです!本番中も劇場からいちばん近いスタバで毎朝、頼んでから全公演を乗り切って、本当にスタバのおかげで頑張れました。こんなに毎日、頻繁にスタバに行くことは今までの人生でなかったです。めちゃめちゃ贅沢でした。コーヒーの日もありましたし、フラペチーノやお茶とかミルクを豆乳に変更したり、自分の好きな味にカスタムして贅沢してました。

――毎朝スタバに立ち寄ってから、稽古や本番に臨んだんですね。この舞台に出ることで自分の中で変化はありましたか。

成長したのかな、どうでしょう。殺陣についてはこんなにがっつりやったのは初めてだったので、成長したかもしれません。殺陣は動きだけじゃなくて、こんなことを思ってるからこんな動きをつけたよというのを殺陣の先生から教えていただいて。動きだけじゃなくて、サヤカというキャラクターがこの状況でこんな気持ちになったから、こんな動きをしたかとか、そういうことを考えながら殺陣をしてました。今まで殺陣でここまで深く考えたことはなかったので、深く考えられるようになったことはよかったと思います。

――今後はどんな役を演じてみたいですか。

いつか悪役に挑戦してみたいです。私は丸顔だから、ハッピーそうに見えて悪役ができないのかなとか思ってます。ちょっと悪いことをしたことのある人ならやったことあるんですけど。主人公とめちゃめちゃ仲いいのに、実はめちゃめちゃ裏切っているとかそんな悪役を演じてみたいです(笑)。

――そして、ついに1st写真集も発売されますね。

ずっと憧れだった写真集をついに出すことになりました!AKB48を卒業した翌週に、「卒業旅行行ってきます」ってSNSでつぶやいてたんですけど、実は4泊5日でバリに行きました。自分の気持ちとしては、お仕事というよりも本当に楽しい旅行でした。

行ったことのない国に行って、新しい風景を見ました。2月下旬で東京は冬だったのでコート2枚で行ったんですけど、途中のシンガポールでのトランジットのときはもう暑くなって脱いでて、パリに行ったらもう半袖でした(笑)。嘘みたいに暑くて、気持ちも切り替わって、すごいポジティブになりました。爽やか、かわいい。けどちょっと大人の一面も見られる。今までの私と違う雰囲気の写真がたくさん撮れている写真集です。ぜひ楽しみにしてください。

――1st写真集の発売が楽しみですね。今後はどんなお仕事をされていくのでしょうか。

つい先日、ファション誌の撮影があったんです。スタッフさんが、用意された服を着ている私を見てすごい似合うと言ってくださったんですけど、普段の私のSNSを見てて「かわいいお洋服を載せている写真が多かったから、こういうファッション誌とか興味ないかなと思っていた」と言われて、「いや私はこういうファッションの撮影もずっとやりたかったんです」とお伝えしました。

でもなかなか機会がなくて、自分にとって本当に遠い世界だったので、ファッションの写真を撮っていただいたこともなかったですし、SNSでファッションやモデルのお仕事をやりたいと発信したことないですって言ったら、もっと発信した方がいいよって言ってくださったので、早速5月10日の夜にXに投稿しました!

あとは、前にSNSで投稿したんですけど、AKB48を卒業して、自分のAKB48の活動の中で一番大きかったのはやっぱりテレビ番組の「AKBINGO!」(日本テレビ系)への出演でした。本当に自分にとって居場所みたいな存在で、「AKBINGO!」に出てたから、たくさんの方に私を知っていただけたと今でも感謝しています。テレビ番組のレギュラーになることは本当に難しいのはわかってるんですけど、テレビの世界で頑張ってみたいなっていう気持ちが強くなりました。

――「AKBINGO!」ではバラエティ色満載で出演されてましたね。では、最後にメッセージをお願いします。

今回の舞台にご来場、そしてご視聴いただいた方、本当にありがとうございました。素敵なお話をいただいたら、舞台にももちろん挑戦してみたいですし、モデルやファッション、私がデザインするぱみぃ(ウサギのキャラクター)、そして自分の洋服のデザインももっと磨いて、頑張りたいと思ってますので、今後の真楪伶の活動をぜひ楽しみに見守ってください!

取材・文・撮影=野木原晃一

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