人工衛星からブラックホールまで。宇宙にまつわる3つの発見

  • 2025年2月15日
  • Gizmodo Japan

人工衛星からブラックホールまで。宇宙にまつわる3つの発見
Image: X-ray (Chandra): NASA/CXC/SAO/D. Bogensberger et al; X-ray (IXPE): NASA/MSFC; Optical: ESO; Image Processing: NASA/CXC/SAO/N. Wolk

新たな発見があるたびに、また一つ未知が増えていく宇宙。だからこそ、宇宙に関わる話って読むだけでワクワクしちゃうものですよね。

今回は、1月に人気だった宇宙にまつわる3つの話をまとめてご紹介します。

超音速の風が吹き荒れる太陽系外惑星

Image: ESO / L. Calçada

まずは新発見の惑星情報から。

WASP-127bと名付けられた、この太陽系外惑星。最大の特徴は、秒速9km超という観測史上最速の速度で風が吹いているところにあります。ちなみに、地球上の音速は秒速340m。速すぎて逆に想像しづらいですね。

研究結果は、学術誌Astronomy & Astrophysicsに掲載。論文の共著者でもあるルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのDavid Cont氏は、「系外惑星のダイナミクスを理解することで、熱の再分配や化学的プロセスのメカニズムの解明につながり、惑星形成の理解を深めるとともに、太陽系の起源に光を当てる手助けになるかもしれません」と述べています。

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大谷選手の球速の200倍⁉︎ 超音速の風が吹き荒れる太陽系外惑星が見つかる 時速3万キロの風に吹かれると人間ってどうなっちゃうの?太陽から最も遠い海王星は、秒速500m(時速1,800km)を超える風が吹き荒れる太陽系で最も風が強い場所です。ところが、地球から約500光年離れた場所にある巨大なガス惑星に比べると、そんなのそよ風みたいなものなのだとか。超音速どころじゃない時速3万km超の風WASP-127bと名付けられたこの太陽系外惑星では、秒速9km超という、もう表現す https://www.gizmodo.jp/2025/01/supersonic_winds_on_an_exoplanet.html

人工衛星の高度、知らぬまに下がっていました

Image: CTIO/NOIRLab/NSF/AURA/DECam DELVE Survey

加速する宇宙ビジネスと比例して、天文学者が頭を悩ませているのが、人工衛星が天体画像に映り込んでしまう問題。その解決策として、SpaceXはStarlinkの人工衛星群300機の軌道変更を開始していたことを明らかにしました。

具体的には高度550kmで飛行していた人工衛星を350kmまで下げており、高度を下げることで(低い高度の方が)、高速移動する人工衛星がたとえ写り込んでもボケる、地球の影に人工衛星が入る時間が増え太陽光に当たらない、光を反射しづらくなる効果が期待できるとのこと。

実際この対策は成功していて、太陽光の反射による画像写り込みは60%減少したといいます(チリのNSFヴェラ・C・ルービン天文台での観測場合)。

その一方で高度を下げることは、地球近傍小惑星などを研究する化学チームにはかえってデメリットとなる可能性もあるのだそう。SpaceXは、NSFの他にも国際天文学連合(IAU)とも連携し、高度以外の対策にも取り組んでいると述べていますが、一筋縄ではいかなそうです。

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人工衛星が天体画像に写り込む。じゃあ高度を下げてみようか 加速する宇宙ビジネスと比例して、天文学者が頭を悩ませているのが、人工衛星が天体画像に映り込んでしまう問題。今後、一段と数が増えるだろう人工衛星と宇宙研究はどう共存していくべきなのでしょうか。人工衛星の高度を下げる米連邦通信委員会(FCC)に向けた文書の中で、人工衛星の飛行高度を下げたことを明らかにしたSpaceX。天体画像への写り込みを虚力減らすため、SpaceXが手がける衛星インターネットサー https://www.gizmodo.jp/2025/01/spacex-tests-lower-satellite-orbits-to-stop-starlink-from-ruining-telescope-images.html

人工衛星がとらえた「宇宙ジェット」の画像

Image: X-ray (Chandra): NASA/CXC/SAO/D. Bogensberger et al; X-ray (IXPE): NASA/MSFC; Optical: ESO; Image Processing: NASA/CXC/SAO/N. Wolk

最後は、そんな人工衛星(Starlinkとは別)が捉えた衝撃的な画像をご紹介。

ブラックホールと聞くと、重力が非常に強く、光さえも脱出できないほどあらゆるものを吸い込んでしまうというイメージがありますが、一方で、光速に近い速度で移動する粒子をジェット噴射するという物理現象もわかっています。

Image: NASA/CXC/SAO/D. Bogensberger et al.; Image Processing: NASA/CXC/SAO/N. Wolk

NASAの天文観測衛星「チャンドラX線観測衛星」が撮影したこちらのX線画像は、1200万光年離れたブラックホールから噴出する巨大な物質のジェットが、宇宙空間の何かに衝突しているところをとらえたもの。C4と名付けられたこの未知の障害物は、大量のX線を放射していますが、天文学者たちもそれが何なのか正確には分かっていないと言います。

今回撮影されたC4にはV字型の腕のようなものがあり、これはブラックホールから噴き出すジェットが物体に衝突することによって生じます。ブラックホールの反対側にある巨大なジェットと比べるとかなり小さく見えますが、それでもV字のそれぞれの長さは700光年もあるのだそう。宇宙の広大さがよく分かる画像ですね。

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ブラックホールに“何か”が衝突。人工衛星がとらえた「宇宙ジェット」の画像 これぞ、ビジュ爆発。ブラックホールと聞くと、重力が非常に強く、光さえも脱出できないほどあらゆるものを吸い込んでしまうというイメージがありますが、一方で、光速に近い速度で移動する粒子をジェット噴射するという物理現象もわかっています。吸い込むだけでなく噴射することもある NASAの天文観測衛星のひとつ「チャンドラX線観測衛星」が最近、撮影したX線画像とその調査結果が、天文学と天体物理学を扱う学術雑誌 https://www.gizmodo.jp/2025/01/jaw-dropping-image-captures-black-hole-jet-smashing-into-mystery-object.html

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